素晴らしい!



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横綱昇進直前の大関の相撲というのは、特別なものがある。
横綱と同格の力を持ちながら、姿勢としては「攻め」あるのみ、
これまで築きあげた自己のスタイルを誇示しつつ、
圧倒的な勢いで持って一気に頂点にかけのぼる。
俺のモネイをよりによって相撲取りに例えるとは!とお叱りを受けそうだが、
(他の人がそういうと、多分私も文句を言うと思うが)
これまで築いてきた自己のスタイルを更に研ぎ澄まし、
素晴らしい境地に辿りついた待望の新作を聴くと、
そういう連想をせずにいられないのだ。
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まずは極めて秀逸なヴォーカル・アルバムであることを強調したい。
前作の素晴らしい世界を見事に押し広げたアルバムを聴きとおすと、
聴き手の体に深い残響を残すのはモネイの素晴らしい声(とポジティブな気合)。
もともとモネイは歌が上手い人(いや、アンドロイドだな)であることは
周知の事実であり、ここで強調する必要もないが、
立ち居振る舞いを含めた圧倒的なパフォーマンスの陰に隠れて
その歌に関しては評価が後回しにされていた感も無いとも言えない。
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前作でも曲毎に発声やグルーヴへの歌の乗せ方を自在に変化させていたが、
この新作ではその歌い口、使い分けは更に広がっている。
瑞々しさを前面に出した伸びやかな歌、幻惑するように音に絡みつくグルーヴ、
蜜が滴り落ちる夢見心地の官能的な柔らかさ、凛とした力強いスクリーム、
リズムを刺激してより強調させる敏捷なフットワーク。
フレーズを不必要にこねくり回したりせず、
これ見よがしなメリスマをひけらかすこともないが、
どの歌にも筋肉質なウネリが感じられる。
本当に実力のある歌手にしか出せない歌なのだと思う。
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加えて、バックで使うコーラス等もこれまでより使い方と重ね方が
ずっと練られていて非常に興味深いし、
細かい部分まで丁寧に作り込まれている音も、
歌とモネイの思い描く世界を見事に支えていて、
その辺のバランスも実に絶妙というか、神業のように思える。

バンドの音やフレーズの躍動感も前作を超えている。
プロデュースはモネイとディープ・コットンの二人とロマン・ジアンアーサー。
演奏はネイト・ワンダーとロマン・ジアンアーサーが中心だが、
みんな大好きケリンドゥも大フューチャーされていて、これまた嬉しいところだが、
解決したはずのケリンドゥ・パーカーとケリス・パーカー・Jrの関係が
何となく少し謎になって来たような気もする。
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曲自体の出来も個人的に前作よりもこちらが好き。
アルバム前半の既発表曲やポップな歌が揃ったSuite IVも楽しいが、
スティーヴィーの影響を受けたモネイ(というか、ネイト・ワンダー?)得意の
上昇していくコード進行は連発するSuite Vの気持ち良さは格別だ。
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ベストトラックはなんでしょう?
スティーヴィーを宇宙に連れていった“Ghetto Woman”も
ローリン・ヒルをアンドロイドにした”Victory”も
ジアンアーサーのムニュムニュしたギターと多重録音されたモネイの声の
ミルフィーユが恍惚の境地に誘う”Can’t Live Without Your Love”も
聞けば聞くほど楽しくなる打ち出の小槌な”Dance Apocalyptic”も
力強くまっすぐな歌が聴き手の琴線を鷲掴みにする”Sally Ride”も
モネイの声に包みこまれる多幸感の溢れる”What An Experience”も
イントロのギターの刻みと途中のウネウネシンセが最高な
アンドロイド仲間エリカ・バドゥとの”Q.U.E.E.N.”も
ミゲルがモネイを徹底的に引き立てる”Primetime”も
殿下が王位継承権を譲ることを約束する”Givin Em What They Love ”も
忘れてはいけない2曲入っている”Electric Overture”も素晴らしい。
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でも、今日の時点では”Dorothy Dandridge Eye”かな。
エスペランサとのデュエットだが、浮遊感とグルーヴと
二人の歌の持ち味の対比が気持ち良すぎる。
仕事の前にこの曲を聴くと一日いい気分で仕事が出来るというのは
余談ですけどね。
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とまあ、そんなわけで、これからバウンシン・エレクトリック・ブーティー・コンテストに行こうと
メラニー45221とサラ8550に誘われているので、
曲毎のコメントは後日付け加えるとして、
聴き終わった後に溢れだす暖かい余韻、持続する中毒性、
今年度最高のグルーヴィーな歌と音と世界。
まずは必携のアルバムでしょう。
最後に、グッと来るクレジット最後のモネイの言葉を!

May these songs bring wings to you when you are weak
and humility when you are strong.
May the evil stumble as it flies through your world.






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by zhimuqing | 2013-09-14 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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