抑制が聴いた運転と歌唱

雨が降って散歩に出かけられず、機嫌が悪いヨウタロウをなだめようと、父子3人でドライブに出かけたのだが、途中から大雪となり、松戸(ほぼ鎌ヶ谷)から家まで帰ろうとしたのだが、大渋滞。4時間近く、雪のなかをドライブする羽目に。

夏タイヤで走るとは言語道断!とボンさんから説教されそうだが、途中から雪になったんですもの、仕方ありませんね。渋滞を避けて小道に入ったところの坂で一瞬タイヤが空回りして、大変焦ったりというシーンもありつつ、なんとか無事に家まで辿りつけて一安心。
とはいえ、家の駐車場の前で立ち往生してしまい、臨時の来客用の駐車スペースにやむなく駐車。家に帰ると、どっと疲れが。知らず知らずのうちに緊張していたのですな。

それにしても、あれよあれよという間に雪が積もって来て、南国の温室育ちの私は、やはり引き返すという判断が遅くなったのは間違いないですね。子供の頃、父から「大人になって何をやってもいいが、冬山にだけは登らないでくれ」と言われていたのを久しぶりに思い出したのですが、まあ、あれですね、私は冬山に登って遭難して救助隊にご迷惑をおかけするタイプなのだろうなと自己分析する今日のお昼下がりなのでした。敷地内の植え込みの大きな枝が雪の重みで折れていたのだが、明日起きると車の上に枝が落ちていないことを願うばかり。

さて、そういう渋滞の中、抑制を聴かせた運転を心掛けながら、車中でずっと聴いていたのは、今週末に見に行く予定(だが、まだ予約していないのだが)のKEMの3枚目。ケムだと思うのだが、もしかするとケンなのかもしれないと思いつつ、やはりケム表記で良かろうと思っているのだが、やはり聴き込めば聴き込むほど素晴らしい歌手だなあ、と改めて実感しているのでありますね。
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ひたすら柔らかく心地よい聴き心地ゆえ、ついつい聞き流してしまうケムの音楽なので、本国でもスムーズジャズとかアダルト・コンテムポラリーのチャートの上位を占める訳ですが、よくよく聴いてみるとそんなヤワなものではなく、これは黒い抑制美だ、これは相当な黒さだぞ、と。これ見よがしな派手なこぶし回しや大声自慢を見せず、丁寧に歌いこまれる歌とそれに合わせる最小限に切り詰められた演奏。ヤワに聞こえるけど実は漆黒である音楽は、これまでメンバーを固定している(ギターは変わっているが)事を含め、スタイルはかなり違うものの、個人的にはシャーデーを聴いて感じるものに近いものがありますね。
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とはいえ、歌手としてのケム、その歌唱能力の高さは、シャーデー・アデュと決定的に違う。例えば歌詞と合わせてその歌を聴いていると、その巧みな節回しぶりと物凄いリズム感に驚嘆させられる。声のレンジの広さ、発声のバリエーションの多さ、コントロールの巧みさは、やはりタダものでない。シャーデーが限られた素質を磨きぬいた上に、あの個性と抑制力を獲得したことを考えると、歌手としての能力に溢れるケムが既にその領域に到達していることはなかなか興味深い。
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逆に、シャーデー・アデュの持つ物凄い色香には欠けていると思うが、これは私がケムと同性であるためなのかどうかは、私には判断つきかねる。が、黒い抑制美の先達にして至高の達人であるアル・グリーンが色香(と危うさ)に満ち溢れていることを考えると、その辺はまだ研鑽の余地が残されているのかもしれない。それもケムの個性であるとも言えるかもしれないが。あるいは、その辺は生の場では全く違うものであるのかもしれないけど。

ということで、こうやって書いていくうちにも盛り上がってくるケムの初来日。バックメンバーもドラムがロン・オーティス、ベイスがアル・ターナー、ギターはランディ・ボウランドといつもの面々。週末のブルーノートが楽しみだ!
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ドラマ[HEROS]に出て来るハイチ人に似ているところは個人的に高ポイント。加えてモータウンというのもいい。あの絶妙なリズム感のスキャットが多めに聴けると嬉しいのだが。
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by zhimuqing | 2013-01-15 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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