Y師匠からお借りしている殿下のブツですが、
1枚1枚が素晴らしく、なかなか聴き進むことが出来ない。 うれしい悲鳴というのは、こういうことなのでしょうね。 映像関係は既に見終わったのだが、どれもこれも素晴らしい。 ドキュメンタリーものが特に秀逸。 クリントンが叫ぶ後ろでドラムを叩くプリンス(クリントンが細い!)、 メイヴィス・ステイプルスとの録音シーン(曲がとても懐かしい)、 笑顔でプリンスについて語るマイルス(やっぱり男前)、 当時新進の注目アーティストだったテレンス(ふてぶてしい態度が最高)。 クラプトンはどうでもいいとしても、ランディ・ニューマンが出てくるのも これまた興味深いところだ。 それにしても、パーティーマンのレコーディング風景で プリンスがベースを弾くのだが、あまりのファンキーさに呆れてしまう。 マイルスとの共演シーンが僅かながら納められているのが嬉しい。 マイルスの登場にびびってしまっているメンバー、 特にエリック・リーズとアトランタ・ブリスの様子が、 僅かな収録時間の間でもよく分かってしまうのが、面白すぎる。 なんとしても、ブートではない形での正式な形での映像の発売を 心から殿下にお願いしたいところだ。 日本のMTV?の特番かなんかでのプリンス特集では 86年の殿下の誕生日でのライブ映像なんかがうれしいところだ。 正直、日本でのスタジオ風景、蓮舫とか高市早苗なんかの出演者が 大変鬱陶しいのがやや難点だが、今野裕二の姿はやや嬉しくもある。 でも、もっとプリンス映せというのが万人の気持ちなんだ思う。 寡黙な殿下のインタビューも貴重だが、 個人的にはやはり演奏シーンがあってこそだとも思う。 パレード以前のプリンスのライブも素晴らしいことは言うまでもないが、 86年のパレードツアー以降はその上を行く素晴らしさなのは、 当時から世界中の人々が言っていることで、私が言うまでもない。 音的にも、絵的にも、レベルが上がったのは、バンドのメンバー変更が やはり大きかったのかなと、改めて感じます。 ソウル・ファンク史上でも最高のバンドの一つだと思うが、 特にミコ・ウェーバーのギターの加入がポイントか。 ウェンディではカバーできない技量とセンスを兼ね備えたミコの加入で、 音楽的にも厚みが出たことも重要だったと思うが、 プリンスがギターを持たなくて済む時間が増えたことで 絵的な面白み(=踊るプリンス)をグッと深まったことは間違いない。 ピックアップされたのがコリオグラファーであるキャット・グローバー。 独特の雰囲気を持つキャットとプリンスの対比が絶妙だったし、 しかも、そのキャットとシーラEとの対比がまた際立っていた。 このころのプリンスは様々な対比を強調することで、 ステージの華やかさをうまく引き出していたなと改めて感心します。 キャット以降、マイテを除くと、プリンスの存在感に負けない ミューズ役が出てきていないのが、やや残念だ。 加えて、リーズとブリスのホーンセクションの加入によって、 黒人音楽の伝統に沿った演奏を矢継ぎ早に繰り出すことが出来るようになり、 さらに、シーラEの友人であるボニ・ボイヤー。 ボイヤーのゴスペル・ルーツ丸出しの声が加わったことも大きかった。 プリンスもめちゃくちゃソウルフルだが、 その声が正統派の声と対比されることで歌世界の深みが増してくる。 (プリンスはこの後、ソウルフルな女性ヴォーカルを加えることが多くなった) この時代の映像1曲となると、やはりこの曲か。 メンバーそれぞれの持ち味を最高に引き出す腕前、 ポジショニングを含め、ステージの構成の凄さは前代未聞なのでは。 20年以上前の若き私は途中に挟まれるAトレインを聴いて、 ジャズってかっこいいなと感じたのでした。 やはりシーラEとの共同作業がターニングポイントだったのかな。 ミコとベースのリーヴァイ・シーザーJr.はシーラEのバンド出身だし、 ボイヤーもシーラEの幼馴染。 もちろんバンド・メンバーのオーディションにはプリンスの意向が 第一だったのだろうけど、編成を整える中で、ミュージシャンの技量が 逆にプリンスへ与えた影響も小さくはなかったのだろう。 まあ、基本的にシーラEのことが大好きなだけなのかもしれないが。 ラブセクシー・ツアーでのドルトムントでのライブは いずれもテレビで放送されていたもの。 ドルトムントのライブは私もNHKのBSで放送されたのを 友人宅でみていたのだが、やはりきちんとした形で 発表(発売)してくれないものだろうか? 聞くところによると、ラブセクシー・ツアーのドルトムントライブは 当時ヨーロッパでは発売されていたらしいし。(未DVD化) 先に述べたマイルス飛び入りの大晦日ライブや VHS、LD化されていたパープルレインツアーを含め、 ポピュラーミュージック史上、極めて重要な映像であるだけに、 断片での出し惜しみではなく、正規な形での商品化だけは、 なんとかお願いしたいなぁ。
by zhimuqing
| 2012-11-02 23:28
| Funkentelechy
|
Comments(5)
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M.A.
at 2012-11-05 16:19
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ファンカポナターイムさんのおかげで
こちらにまで時ならぬプリンス・ブーム到来ですよ! といってもマゴノシーンさん同様90年代初期までの限定。 それ以降プリンスが何となく失速したように思えるのは、進化するヒップホップに プリンス自身がついて行けなかったからのような気がしてます。 ラップやってもプリンスはエンヤコラ調ですし。やはり古い人間ですから…。 常に時代の先を行くというスタンスが90年初頭あたりで途切れたのかな、と。 あ、zhimuqing さん(?)の影響で久しぶりにプリンスのことを考えてしまった。 ところでいつも悩むのですが、ブログ主さんの名称はどれが正解?
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zhimuqing at 2012-11-05 22:22
>> M.A.さま
押忍!P道のお師匠様! 私は完全にプリンスブームです。 現在聴いている音楽に占めるプリンス比は8割を 大きく超え、9割に達すのではないかという勢いです。 ようやくThe Worksに突入しましたが、 キレがあるのは、未発表曲だとvol.2までで、 徐々に切れ味が鈍って来る感じですねぇ。 おっしゃる通り、ヒップホップについて行けなかったのが 失速した原因だと思いますが、 特にピカピカ、ツルツルした音色もまずかったかなと思います。 ピートロックとかプレミアとかQティップとかと組んだり、 せめてもっと良いミキサー(ボブ・パワーなんか)と組んで、 もっとプリンスの地が出た音楽にシフト出来ていたら、と 思ったりもします。 そんな風に思うのですが、でも時代が一巡りしてくれたおかげで、 プリンスを心から楽しめる時代にになって、私は心底嬉しいです。 貴重な音源のおかげで、もう完全にビートに抱かれてしまっている、 そんな状態の今日この頃です。
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zhimuqing at 2012-11-05 22:22
ちなみに、私の呼び名は何でもいいですよ。 zhimuqingは本名の中国語の振り仮名、 孫之新は母方の曽祖父のお名前、 ファンカポナタイムはパーラメントの曲の語りから拝借したもの。 バンド関係ではマゴノシンを名乗ろうとしているのですが、 いざ面と向かって名乗るとなると、気恥ずかしくて、 中途半端な状態になっている今日この頃です。
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M.A.
at 2012-11-06 07:24
x
>もっとプリンスの地が出た音楽にシフト出来ていたら
おぉ音色モンダイ…私のようなミーハーはつい目をつぶりがちですが、 リマスターお願い!というのが多くのプリンスファン積年の悲願ですね。 レコード会社とのイザコザとかあったりして難しそうですが…。 呼称モンダイへの返答&解説ありがとうございます。 今後はマゴノシーンさんと呼ばさせてもらおうかな。 ちなみに私はM.A. or Y どちらでもOKですが 師匠はやめなはれ(笑)こっぱずかしかですたい。
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zhimuqing at 2012-11-07 00:02
>> M.A.さま
了解でございます。師匠はやめときます。 やめときなはれやーっ、て言う芸人(名前失念)の声が 脳内リピートされそうなので。 プリンスの音質問題ですけど、今発売されている、SMH-CDは 大層音が良いらしいということで、非常に心が乱れている状態です。 ただ、高いんですよね。 うーん、まったく困ったもんです。
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