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「桜」や「明日」を「信じる」歌はもうたくさん!

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町山智浩と面影ラッキーホールの対談となれば、
絶対面白いことが100%保証されているようなものだが、
これが期待以上に面白かった。

会場に来た人だけの秘密については触れないが、
ジャスラックに対する適切な悪口からスタートしたこのイベント、
70年代前半の歌謡曲全盛期の詞の世界が如何に濃厚だったか、
洋楽として聴いている歌の中に如何にくだらない最高の詞があるか、
縦横無尽に語りつくされていく。
実に面白く拝聴しつつ、大変勉強になりました。
すごいキーワードがバシバシ飛び交い、興奮し続けの2時間。
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曰く、

行間のある歌詞は今ヒットしない
ある時期を境目に急速に変わった
昔から生き残っている人を除いて

相手のことを考えない独善感を極めないとスターになれない
「恋」や「悲しい色やね」のどこまでも独善的で傲慢な歌詞の凄み
全く関係ない間投詞を入れることで、自作でない歌詞全体を支配するヤザワは
もはや空気投げの様なものだ。
明菜の独善は疎外感の独善

坂上二郎の「学校の先生」では、幸福と不幸を仕分けすることによって
不幸を明確に定義づけされているが、一方で学校の先生という立場では
「どうにもできない」と結論付けている。
この曲をゴールデンで歌っていたということが凄い。
駄目だということ、不幸そのものを歌うことが許されない今では
貧乏をスローライフと言い換えている。

「ざんげの値打ちもない」には実は幻の4番があり、
その歌詞ではムショに入れられていることがはっきりと。
「君は人のために死ねるか」は杉良太郎の自作詞だが、
ドストエフスキーを3分間に凝縮したようなものだ。

歌謡曲の時代は作り手、歌い手、聴き手の三権分立が明確で
それぞれがその作品に変な責任を負わされていない。
売れることを狙ってプロが書いた詞、勿論分かった上で作っているのだが、
桜とか明日を信じるという歌を作っている今の作り手は
その詞を本気で信じていそうで恐い


うーむ、思い出しただけでも、濃厚だったな。

面影の二人も唸っていた、桑田佳祐(町山チョイス)の歌詞の面白さにも驚いた。
「恋人も濡れる街角」は妻がいる男のテコキの歌、
「夏をあきらめては」は本命でない人と海に行った歌、
そんな風になっているとは思いもよらなかった。
実は演奏も凄くて、ベースのフレーズにも脱帽。
サザンをキチンと聞いたことも無いので何とも言えないが、
このレベルでずっと仕事をしてきているのであれば、
それは物凄いことだな、と思いました。

後、実は一番印象に残っているのは、アメリカの際どいネタになった時の
町山智浩のこの一言だったりします。

洒落が分からない奴が一番地位が低い

うーん、いい言葉だ。


あとは、面影のリーダーsinner-yang、話が相当面白い。
私はaCKyが面白いのだと思っていたのだが、
実はあの世界の肝は、演奏と同様にsinner-yangなんですね。
失礼いたしました。
ベースが超絶に上手いのは十分承知していましたが。
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あと、3曲演奏があったのだけど(歌、ベース、鍵盤)、
コンパスとおじいちゃんだよーと甲子園、私のベスト3だったので、
これもお得だったな。
ベースのちょっとした凄味もじっくり聴くことが出来たし。
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ちなみにaCKy、会場入りする際には、ピンクのスーツは手持ちで、
でも、ピンクのハットはちゃんとかぶって来場。
思ったより背は高くないが、意外に真っ当な感じ。
でもライブの時のダルンダルンなバディの見せかたは素晴らしい。
スーツの上を脱いで、ジャンプしてブルブルと肉を震わせる姿は
人間国宝だといっても過言ではない。

イベントに出席した後、そのまま山梨に出張に行ったのだが、
中央線で新宿に向かす途中にたくさん女性が電車に乗って来る。
私が面影ラッキーホールに酔いしれる中、中年の皆さんは嵐ですか。
イベントも年齢層高かったが、電車に乗ってくる女性もなんというか、
皆さん結構お召しになっていますね。うーむ。

面影ラッキーホール聴くぐらいだったら、必ず聴いてと言っていた、
Pヴァインから出ているという殿様キングスのラテン演歌、
この辺は我々に課せられた宿題かな。
ジャニス辺りに捜しに行こう。
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by zhimuqing | 2012-09-22 01:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)
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