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これは絶品だ

先日プリンスを久しぶりに聴いて盛り上がったのを機に、
少し古めのCDを色々聴き直している今日この頃ですが、
ありがたいことに、じっくり聴くと色々出てきますね。

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Gary G Jenkins ≪The Other Side≫

90年代に山ほどデビューしたコーラス・グループの中でも
シルクがずば抜けたグループであることに異存はないですよね。
歌唱力は当たり前としても、5人いるコーラスの厚み、
コンスタントにアルバムを残している実績を含めると、
最高峰を争うグループといっても過言ではないでしょう。

そのシルクのリード(の一人)である、Lil’ GことGary Jenkinsのソロ、
2007年に発表されたもの。
発売当時に結構気に入って聴いていたけど、もっと昔のような気がするな。
私が持っているのは、アメリカで一番初めに出た自主制作盤。
これが最高にチープな作りで大変芳しい。

なんといってもCD-R、ジャケ写はおそらく子供の頃のリルG。
サディークの1stのCDの盤面の写真を思い出しますね。
ちなみにその後、イギリスのエクスパンションからCDも発売されたが、
こちらのジャケは物凄い。
二周りぐらいして凝縮したファンクネスが決壊した感じ。
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で、肝心の中身ですが、これは絶品。
愛聴していた記憶があるのに、内容を覚えていないというのが、
我ながら情けないところですが、07年は多分ソウルジャズなんかを
一生懸命に追いかけていた頃だと思うので、まあ仕方がない。
≪The Other Side≫と銘打たれただけあって、シルクとはかなり違う方向性。
(とはいえ、本質的には同じなのだが)
大好きなファンクを丸出しにしてしました、ということも出来るだろうけど、
今聴くと、Dの≪Voodoo≫に対する落とし前、つけてみましたって感じか。
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クレジットを見ると、リルGがほとんど自分で製作しているとのことなので、
おそらく楽器も自分で演奏しているだろうけど、これは相当な腕前だ。
エッジの立ったギターが活躍する曲が目立つところはプリンスの影響を感じる。
リズムがいびつに転がるマッドリブ的な曲もあれば、
後ろからリズムに乗っかるシンセベースが美しい曲もある。
多重コーラスで淫靡に迫る曲はスウィート・ソウルを突き抜けてPに到達。
アコギの使い方もかなり効果的だ。

<Change is gonna come>をカバーしていることでも話題になったが、
あの曲をストレートにカバー出来るだけの力量がありつつ、
ここまで漆黒のファンクネス溢れた体質を誇示出来ているところが、
なんとも美しい。
近況はあまり具体的に聞こえてこないが、ソロでシングルを出しているらしいが、
やはり私としては、ソロ活動とシルクをなんとか共存させて欲しいと思いますね。
(今年に出る予定だというニューアルバムはまだなのか?)

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あと、一部で話題になっていたグループBlayse 、
リルGがAz Yet やBlackstreet との元メンバーと組んでいるらしいのだが、
そのグループ名義での音源の発表、これも早くお願いしたいのであります。
by zhimuqing | 2012-09-18 19:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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