誰の利益につながるのか?

話題の孫崎享「戦後史の正体」を読破。
元外務省・国際情報局長の孫崎享が戦後の日本の政治を
アメリカからの圧力という切り口から読み解いた本。
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「これまでのタブーを破り、日米関係と戦後70年の真実について語る」と
帯に書かれているが、確かに外務省のキャリアだった人間が
ここまで書くのは、なかなか思い切ったものだと思う。
「高校生でも分かるように」簡単に書いてあるのもいいですね。

戦後日本を読み解く軸は、必ずしも対米従属と自主独立には限らないとも思うし、
対米従属と自主独立の分類にも違和感を覚える(例えば、岸信介など)部分も多いが、
TPPとかACTA等が強引に押し付けられようとしている昨今、
とても意義のある本だと思う。

文書や文献、エピソード等も当然ながら多く掲載されている。
研究者には良く知られている文献なのかもしれないし、
私も小耳に挟んだことがある話もあるけど、
こうやって時系列で並べてもらうと大変分かりやすい。
個人的には、カナダの首相の話に感銘を受けた。

結局アメリカの要求はアメリカの利権以外の何者でもない、ということを
明確に書いてあるだけでも、評価できるのだと思う。
アメリカに限らず、世の中、結局利権でしか動かないわけだし、
その利権をどのように世の中に分配するか、それが問題なのだから。

おりしもオリンピックや李明博で竹島問題が騒がれているが、
この騒ぎが一体誰の利益につながるか?ということを考えるのが、
ポイントになるのでしょうね。
「私たちは、政治家が領土問題で強硬発言をする時、彼はこれで何を
達成しようとしているのかを見極める必要がある」という言葉は
外交官としてのリアリズムがあると思う。

一部から「親中」のレッテルを張られている孫崎享であるが、
そんな簡単に二分化出来るようなものではなく、
アメリカとも中国とも韓国ともロシアとも戦略的に(自国の都合の良いように)
上手く付き合っていこうと言っていると思うのだけど、
見方甘すぎるかな?どうなんでしょ?
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by zhimuqing | 2012-08-14 19:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
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