備忘録

口だけ番長として今や並ぶものが無いほど、
確固たる地位を築かれた前原率いる民主党の政調会が、
今夏に向けて原発の再稼動を認める方向性で調整しているそうだ。
電気料金の値上げ(なぜか東電のみ)と、そのセットとしての原発の再稼動、
着々と向こうで布石が打たれていることを実感し、なんとも言えない気分になる。
ということで、いい機会なので、備忘録をかねて個人的なまとめを。

まず、念頭に置かなくてはならないのは、毎日新聞が1月暴露した事実。
夏のピーク時の電力供給量が-9.2%足りないという政府の試算が
全くのでたらめだということ。
各家庭に業務用の大型冷蔵庫が1.5台あるとしたり、
製造業の自家発電を中心とした「埋蔵電力」がカウントされていなかったりと
官僚(とその背後の利権団体)が苦心して小細工した結果での数字に過ぎないのだ。

菅直人の指揮内にあった国家戦略室の別チーム(民間)の試算では+6%。
十分に足りているのである。
本来なら国を挙げて大騒ぎして、徹底追及すべき問題であるのに、
元々原発を推進させたい読売や産経はまあ仕方が無いにしても、
なぜか朝日もNHKも表立って報道しないどころか、
原子力村の意図に沿って、電力不足キャンペーンを張っている始末。
私の知っている工場では、節電要請に沿って、夜間に仕事をシフトしたり、
土曜日曜休みを取らずに仕事をしていた人達がいたのに。
3月の無計画停電で、交通事故で死者まで出ているのに。

e0147206_038269.jpg
小出裕章の「隠される原子力・核の真実」を見ると、+6.0%に更に説得力が増す。
2005年の日本の発電設備総量は全部で2億7500万kW、
酷暑だった2010年夏のピーク時が1億7964万kW、
原発を除いた水力、火力、自家発電の合計は2億3000万kW。
なんだ、原発全部止めても楽勝じゃないか。
脱原発ではなく、即ストップできるじゃないか。

それぞれの設備稼働率は、原発70%、火力48%、水力20%、自家発電55%、
自家発電はとりあえず横に置いておくとしても、
ウランを燃やしている原発は簡単に発電量の調節が出来ないので、
他の発電設備、とくに水力発電で大幅にあまっている発電量を調節しているのだ。
言い換えると、原発を稼動させる為に、水力発電を止めているのだ。
つまり、原発の占める割合が高いので云々というのは、
あくまでも恣意的なデータに過ぎないということだ。
e0147206_0384416.gif
こちらはやや古いが、2000年のデータ。
やや古いが、大勢に変わりはないはず。

この稼働率の側面から見ると、水力発電のコストが高いとされている定説?の
ウソがよく見えてくる。
稼働率を2割に迎えていては、コストが高くなるのは当たり前だし、
この水力発電のコストには揚水発電のコストも含まれているのだ。
フルに稼動した場合の本当のコストを明示してもらわないと困る。
燃料代は基本的にかからないのだ。

原発の代替エネルギーとして、火力発電が議論に挙がっているが、
むしろ水力発電の現在の発電設備をフルに活用することを
前提において議論しないと意味が無いことがよく分かる。
火力発電の燃料代でコストが上がり、8000億必要だというのは、
単にその金をふんだくって、国から資金をつぎ込ませず、
今の経営陣や社員の高待遇を維持する為の方便にしか聞こえない。

更に言うと、天然ガスの世界的な相場が下落していることも強調するべきだ。
イランの問題でペルシャ湾を封鎖する話が出ている中で、
天然ガスの相場は昨年に比べ大幅に下落しているという事実。
昨年末に比べると、2割も下がっているらしい。
シェールガスのガス田の開発が進み、生産過剰になっており、
アメリカ大手ガス会社のチュサピーク・エナジー社は自社の操業ガス田を
47から24に削減することを決定していること。
これもなぜかあまり報道されていない模様。

そもそも燃料代が嵩むのであれば、他の電力会社も値上げをしなくてはならないのに、
一向にそういう話が聞こえてこないのは、どういうことなのだろう。
東電よりも原発への依存度が高い関電(48%)、九電(41%)は?
(まあ、この依存度も先に述べたようにおかしな前提であると思うが)
天然ガスの価格下落、水力発電の稼働率アップで十分に吸収できるからではないのか?

ということで、私が電気代の値上げの理由として、渋々納得できるのは、
原子炉の廃炉に関する費用のみなのだが、
それでも、その前にやるべきことがあるのは間違いない。

・東電の国有化および解体(発電と送電事業の分離)
 :これはいうまでもないでしょう。
・真に公正な第3者による東電資産の再評価と売却
 :今の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」は即刻メンバーを入れ替えろ!
・東電社員の給与と年金の削減
 :これもいうまでもない。なんならコストカッター清水氏が推薦します。
・原発行政、電力会社経営陣に対する責任追及(刑事責任の追及)
 :九電やらせ事件の主犯格の黒木慎一、なぜまだ保安院でのさばっているのか?
・意見聴取会からの原発業者から寄付を受け取っていた学者の追放
 :中村尚司なんかは永久追放でしょう。

電力供給に限ると地熱発電が3割弱を占め、
残り7割強を水力発電でまかなっているアイスランドでは、
各家庭の暖房等を含めると、主要エネルギーの65.7%が地熱発電らしい。
しかも、この国の地熱発電設備のほとんどは日本製らしい。
同じ火山国、地震国である日本が目指すべきなのは、
まさにこのアイスランド式?だと思うのだが、どうだろう。
e0147206_0441716.gif


個人的には風力や太陽光発電はなかなか難しいと思っているし、
その発達・発展を待っている時間もないと思っている。
「脱」原発というのは、考えようによっては、緩慢に「脱」していくことにも
なりかねないと思えてならないのだ。
現に現政府は、「脱原発ですよ」という姿勢を見せつつ、
やっていることはまったく別の方向を向いているし。

日本の発電は地熱+水力+メタンハイドレートでのGTCC発電を中心に、
潮力や風力、太陽光での小規模な発電を組み合わせた体制でいくのが
一番良いのだと思えて仕方がない。
しかも、各地に小型のプラントを作って、地産地消を進める、と。
過疎地をカネでレイプして、大型の発電所を作るやり方だと、効率が悪すぎる。
福島第一原発のせいで関東の農産品ではうまくいかなかった地産地消を
電力で実現するしかない。
e0147206_0483915.jpg
まずは本店と渋谷の電力館を売り払うべきだ。
[PR]
by zhimuqing | 2012-02-18 00:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
<< ちょっと齧っただけで、偉そうに... ため息つかせて(改) >>