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置いておくもんだ

いきなり雪が積もっていて、朝の駅までの道路は大渋滞で困ったものですが、
こういう日には元気が出る音楽に限るわけで、
ここはGrand Master Flash & the Furious Fiveですね。
我が家にはベスト盤しかないのですが、とはいっても3枚組みなので、
たっぷりとあの時代(といってもリアルタイムでは知らないけど)を
味わうことが出来るのであります。
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このジャケット、結構好き。

私がヒップホップを聴き始めたのが87-88年ぐらいなので、
ちょうどその辺のオールドスクール勢が一番古く感じてしまう頃。
「Message」は名盤認定されていたし、メリー・メルの声はいいなと思っていつつも、
なかなか手に取ることは無かったのですね。

その後、ジュラシック5とかファーサイドなんかが出てきて、
集団MCの魅力に開眼したのをきっかけに少し漁ってみたのだが、
歯切れの良いラッピン(フロウというよりもこちらがしっくり来る)の
格好良さには痺れたものの、エレクトロな部分が引っかかって
聞き込むまでには至らなかったのだが、改めて聴くと違和感もなく
かなり気持ち良くなっている。
置いておくものですね。売り払わなくて良かった。

音は基本的にブレイクビーツではなくて、弾き直しによるもの。
手元には(当然ながら)クレジットがないのですが、
シュガーヒル御用達のミュージシャンでしょう。
キース・ルブランとかダグ・ウィンビッシュとかスキップ・マクドナルドあたりの、
後にタックヘッドになる一味ですよね?
あとは、レジー・グリフィンとデューク・ブーティ?
原曲よりもメリハリがついたキビキビとした演奏。
良く言えば、イナタイ、はっきり言うとやぼったい原曲よりも
こちらの鬼タイトな演奏の方が凄いです。
こういう風にカッチリ演奏するのって、物凄く難しいんですよね。

昔ミュージックマガジンにこの辺のミュージシャンが紹介されていて
割と興味深いように書いてあったので、色々探してみたのだが、
思ったように見つからなかったですね。
シュガーヒルで演奏する前の前身バンドBrass Wood & Steelとか、
デューク・ブーティのソロアルバムぐらいかな?入手できたのは。
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とはいえ、Brassのほうはサンプリングで引っ張りだこらしいけど、
私にとっては、70年代後半にありがちなファンキーだし、
ブーティは当時あの手の音を探していたブラザGにすぐに奪われてしまい、
あまり記憶に無いのが、なんとも言えない感じです。
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こちらのジャケも良い!

それはさておき、Grand Master Flash & the Furious Fiveといえば、
何はともあれ、勢い溢れる集団MCに尽きるわけで、
息をつかせぬマイクリレーがたまりませんね。
途中で名乗っていないと、5人いるMCの声の聞き分けは出来ないのだが、
太さと艶っぽさが際立つメリー・メルの声は分かりますね。
でも、他の4人も個性溢れていて、声の躍動感が半端ではない。
この躍動感を何かに喩えるとしたら、あれですね、
魚釣りで魚がかかったときの竿に伝わる振動に喩えるのが一番かな。
釣りはあまりしないのだけど。

歴史的に重要なのは「The Message」ということになるのだろうけど、
私としてはやっぱり「Freedom」ですかね。
パーティーラップの最高峰、この勢い溢れる感じは何度聞いても盛り上がります。
改めて聴き直すと、ラヒームの歌が意外に聞かせることに、
今頃気がついたわけですが、やはり現場の叩き上げということで、
達人が揃っていたのだな、と感心するのであります。
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前からの疑問だけど、ジャケに写っている人は7人。
偽者?は一体どいつだ!

それだけに、88年頃には過去の人になっていたのが、非常に残念。
あと10年とは言わないので、せめて3年もっていてくれれば、
また、別の意味でカラフルなトラックの上で群舞する5人が
堪能できたのですけどね。
でもまあ、そのサイクルの速さこそがヒップホップの魅力なのでしょうけど。
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しかし、味わい深い6人。
by zhimuqing | 2012-01-24 20:28 | On The Corner | Comments(0)
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