新年早々ノックダウン

本来は旧正月で祝うべきだ、という意見はその通りだと思うのだけど、
とはいえ、40年前に日本に産まれた私としては、
正月、特に元旦ともなれば、やはり一年の中でも特別な日として
捉えざるを得ないのが実際のところなのです。

一年の計は元旦にありとも言うし、英気をここで養う必要があるので、
以前は年が明けて1番初めに聴く音楽に結構こだわっていたのです。
といっても、Kind of Blue か Mothership Connection あるいは、
Love Power Peaceか Alagbon Close辺りがここ数年の定番でしたが、
今年はEric B & Rakimの1stをチョイス。
新年をラキムで迎えるというのも、なかなかオツなものであります。
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とはいえ、今年は人生初の一人きりの寂しい正月ということで、
時間はたっぷりあるし、何かしないと寂しくなって死んでしまいそう。
昼前に起きた私は何をしようか?と、考えることしばし。
元旦ということで、灰色の脳細胞に喝を入れてくれるもの。

人間、じっくり考えれば、思い出すもので、
ありましたよ、キレキレで想像力が爆発しているもの。
歌川国芳!
年頭を飾るのに、これよりふさわしいものはあるまい。
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そんな訳で、六本木ヒルズまで出かけたのですが、
渡航危険地帯と諸外国から指定されていると専ら評判のギロッポン、
さすがに人も少なく、私一人で歩いていても、チンピラに襲われる事も無く、
無事会場である森アーツセンターギャラリーに辿りつきました。
年末年始も開催しているなんて、関係者の方々に頭が下がります。

で、初めて生で見る歌川国芳、ただただ圧倒されましたね。
テーマごとに1章から10章に分けて展示しているのだが、
第1章の武者絵、ここで爆発する想像力と構図は凄まじい。
緻密でありつつ躍動感に溢れる絵に1枚目からノックアウト。
弟と違い、絵心が全くない私にも、響きまくります。
ジャンルや背景は違うが、ドープでイルでヴードゥーな濃厚な調べ。
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しかも、超至近距離で見ることが出来るのがありがたい。
一応白線の外から見るルールとなっているが、
その白線自体が壁から30センチほどしかなく、
上半身を屈めると、目のすぐ前で絵を見つめることが出来るのだ。
じっくり詳細に眺めて、少し離れて見て、を繰り返すので、
周りの人に迷惑をかけてしまったかもしれない。申し訳ない。
でも、元旦だったこともあり、人は少なめで、
じっくり見ることが出来ました。
これで、入館料1500円はどう考えても安すぎる。

展示の順に作品に番号が振られているのだが、
途中途中で抜けている数字があり、どこにあるのだ、と一瞬探したのだが、
今回の展示は上期と下期で一部展示物を変えるためである模様。
そのため、是非見たかった作品を一部見ることが出来なかったのだが、
まあ、また見に来れば良いさ。
あと、オランダの銅板画に影響を受けたことを示す展示も興味深かった。

個人的には、武者絵や説話、戯画こそが歌川国芳の本骨頂だと思う。
役者絵や美人画は武者絵を観た後では、どうにも爆発力と生命力に
欠ける気がしてしまい、多少物足りない。
(あと、美人画に描かれた女性の口元がどうにも私の好みではないのだ)
戯画の方は、洒落っけや愛情を感じることが出来るので、面白いのだが。
武者絵等では、ちょっと気を抜いている脇役の顔なんかが
知り合いにちょっと似ていたり、間が抜けていたりと、
この辺も私の好みですね。
お化けや動物、化生のものたちの面白さはいうまでも無く。
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青面金剛神と取り組みを行う長五郎、みぢんに投げ出すと書いていたが、
この組み方だと、長五郎さん、どうしても負けそうな気がするのは私だけ?
隣の青金剛神?の退屈そうな表情も良い。

あと、浮世絵ということで、絵師である国芳の凄さと同時に、
彫り師や擦り師の凄さも忘れてはいけないですね。
毛髪の細かさの凄さなんか、人間業とは思えない。
この辺の人の凄さが個人名で構成にあまり伝わっていないのは
少し残念かなと思いますが、どうなんでしょう。

そんな訳で、4時間近く見る羽目になったが、もう大満足の私は、
図録やしおり等を買ったのだが、この図録がなかなかボリューミーで
当然まだ全部読んでいないのだが、解説等も面白そう。
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六本木でコーヒーを飲みながら図録を観ていると
外国人の方々の視線が熱かったのでありました。
声をかける暇もなく、皆さん出て行ったのですが、
一声かけてあげればよかったと思う元旦なのでありました。
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こちらは栞、ドープで有名なやつをチョイス。

ちなみに興奮した私は家に帰って、更なる興奮を覚えようと、
タクシー・ドライバーのデニーロを観て、
更に研ぎ澄まされることを狙うのでありました。
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by zhimuqing | 2012-01-02 00:28 | Funkentelechy | Comments(2)
Commented by M.A. at 2012-01-04 16:49 x
こんにちは!お久しぶりです。
おじゃまするのはブーチー来日あたり…以来…かな?
いよいよD様が復活らしいですね。
国芳→デ・ニーロ&スコセッシとは、なんとも新年らしい“ハレ”コース。
生誕150年ということで昨年からプチ国芳ブームですね。
Commented by zhimuqing at 2012-01-04 18:04
>> M.A.さま

おおっ!あけましておめでとうございます!

D様、復活のヨーロッパツアー、本当に現れるのであれば
行く価値もあるかも!と思ったりもしたのですが、
果たして本当に登場するのか?やはり確信が持てないですね。
(というより、渡欧する時間もお金も全くないのですが)
新作、本当に出してくれると、それだけでも舞い上がるのですが。

新年、最高のスタートが切れましたが、
2日目から早くも堕落した生活となっています。
明日あたりから軌道修正する予定です、はい。
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