日暮泰文の本の中に名前が出てきた吾妻光良のライブ、
この時期、忘年会ライブ?があるはずなので、
慌てて調べてみたのですが、即効で売り切れになっていたようで、
今年は吾妻さんのライブ、見ないまま終わってしまいそうです。
ということで、その代わりというわけでもないのだが、
ずっと前から見ないといけないと思いつつ、見るチャンスが無かった
ブルーズ・ザ・ブッチャーを見に、船橋 月まで。
現在国内最強と名高いブルーズバンドですね。
率いるは、日本のブルース界の大親分、永井ホトケ隆、
ドラムは日本が誇る沼澤尚、ベースはシアターブルックの中條卓、
ハープはこれまた有名なKOTEZ、改めて豪華なメンツ。
(タカシさんが4人中3人だ!)
Pヴァインから発売された新作「Voodoo Music」の発表に合わせたツアーで、
10月末から2ヶ月で全国29ヶ所というスケジュールもそうですが、、
月でのこの日のライブもほぼ休憩なしで2時間弱、
そのタフさもまたブルーズマンだなと感心させられます。
この新作は「ブルーズで踊れ」というのがテーマだということで、
ファンキーなビートだけでなく、スローなブルーズやシャッフルでも
観客を躍らせることを目指しているのですが、
そこは百戦錬磨のバンド、しかもドラムが沼澤尚ということで、
身体の揺れること揺れること。
堅苦しいことを言わずに、客を踊らせよう、楽しませようという態度は
巷のブルーズ道に邁進するこじんまりしたバンドとは、
ベクトルが全く異なるものだ、
しかし、やはりなんと言っても沼澤尚である。
一つ一つの音、一つ一つのフレーズのキレが凄い。
セッティングでドラムを調節している時に
何気なく叩くフレーズからして凄いのだけど、
本番になると、私の目はドラムセットに釘付けに。
フレーズの組み立て自体にあまり突飛なものはない(多分)と思うのだけど、
どちらかといえばシンプルなんだけど、しなやかに躍動するドラムには、
どうしてもネコ科の動物を想像させられてしまう。
しかも、確実にヒップホップ以降の感覚が息づいていて、
クエストラブのドラムにも相通じるものも感じますね。
キックとスネアとハイハットのコンビネーションの素晴らしさは
一度見たライブでよく認識していましたが、
今回間近にじっくり見ると、スネアを打ち下ろす際のハイハットの使い方とか、
ライドシンバルでの刻みが物凄いなと感嘆。
それにしても、物凄いとか絶妙とか素晴らしいとか、
似たような言葉を繰り返すばかりの自分の語彙力の無さが際立ちますね。
あと不思議なのは、ドラムの音がバンドの前面にスコーンと出てくること。
小さな音で叩いていても、音の細かい部分までよく聞こえる。
もちろん音量がポイントではないことはよく分かるのだけど、
鍵となるものは何なのでしょう?
やはり正確なタイミングが大事なのかな?うーむ。
ということで、気が付くと沼澤談義になってしまうわけですけど、
やはり評判どおり、国内最強のブルーズバンドですね。
ホトケさんは歌(とルックス)に込められた殺気が凄い。
やはり本物は違う。
スライドギターもかっこよかった。
中條卓は動きや表情が地味(失礼)なのだが、
見た目に惑わされてはならない。
タイトで味のあるベースは、実はひどくファンキーで
沼澤尚のドラムにジャストフィット、リズム隊の理想形か?
ハープのKOTEZは、そのうねるプレイはもちろんのこと、
人懐っこいキャラがバンドに華を添えますね。
どの曲も良かったが、アーリー60年代のリズム&ブルーズが
ダンサブルで面白かったかな。
でも一番印象に残ったのは、最後に演ったロバート・ジョンソンの名曲、
Kind Hearted Woman Bluesですね。
チリチリと焼けつくような、どうしようもなくブルージーな歌と演奏に
悶絶しました。
また月で見たいですね、なんと言っても家から近いからね。
ロバート・ジョンソン生誕100周年