これまで結構フローレンス・バラードの事を強調してきたので、
一部でダイアナ・ロスのアンチだと思われている節もありますが、
私というか我が家はもともとマイケル経由で音楽にはまったので、
はっきりと言いますが、ダイアナ・ロス、かなり好きです。
高校生の頃はほぼ毎日我が家で流れていたような気も。
ということで、BSのアクターズ・スタジオ・インタビューに
ダイアナ・ロスが出た時も当然録画していたのですが、
なにせこの録画というのが曲者なのだ。
一旦録画すると、安心してしまい、なかなか観ない。
挙句の果てには見ないまま放置してしまうのは、
それこそ20年ぐらい前からの習性なので、
気をつけようと肝に銘じている今日この頃。
よく考えると、インタビューに応じるダイアナ・ロスをきちんと見るのは
初めてなのだけど、さらに言えば、アクターとしてダイアナ・ロスを
捉えるのだって初めて。
「ビリー・ホリデイ物語」と「ウィズ」ぐらいのイメージしかなかったけど
意外に結構な本数に出ているみたいで、少し驚きました。
まあ、この番組に呼ばれるぐらいですからね。
(とはいえ、バンドを従えて番組中に何曲も歌っていたけど)
インタビュアーのジェイムズ・リプトンの繰り出す質問が
一見当たり障りなさそうなんだが、それでいて際どいコースをつくのが、
言うまでも無く、この番組の一番の面白さ、というか 売りなのだが、
その際どい球に対して、ギャッハッハと大きく口を開けて笑って返す姿が
これまた面白い。
いかにも庶民的な感じで、もっとクールなイメージを抱いていた私は
少々意外な感じも受けますが、そのギャップもまた良い。
ソロとして独立する時の話に関するやりとりも当然興味深いけど、
ゴーディーとの関係にサラッと触れて見るリプトン、
サラッと受け返すロスという流れが一番の醍醐味か。
勿論音楽に関する話も面白いのは言うまでもない。
子供の頃にはエタ・ジェイムズに憧れていたなんて話は
全く接点のなさそうな両者なので、驚きました。
ヴァレリー・シンプソンのように歌いたかったというところもね。
でも今回一番の見どころは歌を歌う段になると、
一気に若返るのが凄いですね。(特に見た目)
現在はほぼ第一線を退いているはずなんだけど。
もちろん全盛期に比べると声の張りは弱くなっていると言えるけど、
まだまだ歌えているし。
一時代を築いた本物はやはりモノが違うなと、
ありきたりの感想を述べる私なのであります。
とはいえ、全盛期の姿はもっと凄い。
オーラたっぷり。
立っているだけでも凄い。
マーヴィンとのデュオは評論家筋には評判がいま一つだけど、
私はかなりの名盤だとずっと考えているのだけど。
この辺はスーパースターならではの色眼鏡があって残念。
あと、ソロでのダイアナ・ロスと言えば、Chicとの共同作業ばかりが
もてはやされる昨今ですが、70年代前半の名曲の数々も
再評価されるべきだと、主張してみたい私です。