要は光の当てる角度なのだな

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イタリア映画「人生ここにあり」を観に行きましたよ。
海洋天堂を見に行った時に予告編を見て気になっていたこの映画、
上手くタイミングが合わずに半ば諦めかけていたのですが、
好評につき上映期間が延長ということで、何とか見ることが出来ました。

1983年のイタリア、ミラノ。
新しく制定されたパザリア法により精神病院が閉鎖され、
行き場を失った元患者たちは、病院付属の「協同組合180」に集められ、
慈善事業という名目の単純作業をしながら無気力な日々を送っていた。
一方、労働組合員のネッロは熱心すぎる活動がたたり、
「協同組合180」への異動を命じられる。
ネッロはさっそく元患者たちに仕事をする事の素晴らしさを伝えるべく、
「床貼り」の作業を提案するのだが…。


ともすれば、重くなってしまいそうなテーマなのだけど、
原題「SI PUO FARE(やればできるさ)」そのものの勢いで
大変面白く、また一方で考えさせられもする、素晴らしい映画ですね。
前向きに進んでいく登場人物、随所に挟まる笑い、
そして底抜けの明るさ。

新人がやってきて、周囲を鼓舞し、また周囲に助けられながら
前に進んでいくという、よくある展開ではあるものの、
小気味良いテンポ、丁寧に描き分けられる登場人物(特に元患者の10名)、
よく考えられた脚本のおかげもあって、
一気に映画に引き込まれてしまいました。
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それにしても、この映画が実話を基にしているということで、
これには本当に驚くばかり。
見た人みんなそうだろうけど、どうしても日本の現状と比べたくなります。
私は日本の精神病院のことは全く知らないので比べようがないのだけど、
そのジャンルに限った話ではなく、もっと総体的な話。

誰もが他人と少しずつ違っている、ということを
絶対に正しいこととして捉える姿勢が非常に眩しい。
他者との均一性を重視するのではなく、
他者との違いを積極的に認めようとする姿勢、
これこそが、豊かな人生や社会を築くことなのではないかと、
考えることしばし。
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閉塞感が強くなって、他者への共感が薄くなっている今の日本から見ると、
もうこれは完全に別世界のようです。
政治家とか中高生とか会社の経営層とか公務員とか教師とか
色々な人に見てもらいたいですね。
弱者を切り捨てるのではなく、また単にお金で解決しようとするのではなく、
彼らに希望が持てる社会にするためには何をすべきなのか、
どうサポートしたら良いのか?30年前から取り組んでいる社会があるということに
深く感動する私です。
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俳優陣の演技も素晴らしい!

追記:

つまり「社会的弱者」という言葉は、単にある一つの側面で判断したものであって、
他の角度から光を当てると、「弱み」は「強み」に変わりうるという
そういう哲学なのだな、と感銘を受けた次第です。
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by zhimuqing | 2011-09-08 20:28 | Dawn 'n' Shine | Comments(0)
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