夏は濃厚ソウルに限る

マシンガントークをぶちかましていた姪が大阪に帰り、
にわかに静かになっている我が家ですが、帰ると同時に、
猛烈に蒸し暑くなってきて、しかも風が無くて、大変だ。
我が家では、ベランダに子供用のビニールプールを導入しましたよ。
子供達には水着を着せたものの、あまりの暑さに我慢できなくなり、
外から我が家のプールが見えないのを良いことに、
すっぽんぽんでプールに浸っていて、ヨメサンに怒られるという一幕も。

さて、こういう暑い日には、クールな音楽を聴くのもいいのでしょうが、
ここはジェマーソンのドライブしまくるベースでも聴こう、
ジェマーソンの相方(ここでは歌手)はリーヴァイ・スタブス、とするのが
正しい日本の夏の過ごし方だと思う訳です、

そんなこんなで、フォートップスを探していたところ、
ファンタスティック・フォーが久しぶりに目に入ったのである。
マーヴェル・コミックの4人組の方ではないですよ。
デトロイトの強烈な4人組のほうです。
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学生の頃、再発されたCDを毎日のように聴いていたのに、
ここ数年は存在を忘れていて申し訳ないという感じですね。
ウエストバウンドから出たアルバム4枚は2 in 1でCD化され、
その前にモータウンから出た1stアルバムもCD化されていますね。
なもんで、アルバム自体は我が家に全部揃っているのですが、
アルバム化されていないシングルが多分20曲弱、
それとは別にモータウンから結局発売されなかった幻のアルバムが1枚、
ソウルの世界はなかなか奥が深いものです。

ということで、5枚のアルバムをまとめて聴いてみたのですが、
やっぱり物凄いグループだ。
ジェイムズ・エップスの素晴らしいリードはもちろんのこと、
二人もいるファルセット使い、きっちり下を支えるベースシンガーと、
ここまでのレベルをそろえたヴォーカル・グループはなかなかいないです。
ソウル、それも複数のアルバムを出しているグループで考えると、
5本の指に入るのではないでしょうか?
4人編成だと、張りあえるのはオリジナルズぐらいか?

そんなグループですので各アルバム、それぞれ名盤の誉れが高いわけですが、
76年の「Night people」と続く77年の「Got to have your love」が
世間的には名盤とされていますけど、
ここは75年の2枚目(正式には3枚目)の「Alvin Stone」こそが
最高傑作だと、ここで私は断言したいのです。
3、4枚目はシグマ録音ということで、全盛期というか完熟期に達した
フィリー流儀が楽しめるわけですが、やや洗練され過ぎるこの時期よりも
デトロイト臭が残る時期の方が、より味わい深いと個人的に思うのです。
そういう意味ではRic‐Ticレーベルの音源をまとめた1枚目も捨てがたいが、
華やかさという面では、やはり2枚目の方が上回っているかな。
なにせ収録曲6曲全てが名曲。
歌も良いが、演奏も素晴らしく、そしてなにより曲も良い。
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ブラックプロイテーションな1曲目の<Alvin Stone>は
曲自体にメリハリが効いていて、しかも程良く流麗。
ドラマティックなエップスのリードと華麗なコーラスが映えまくる。
力強さとダンディズムと優しさが同居したエップスの歌は
他ではなかなか得がたいものがありますね。

2曲目ではクリーブランドのファルセットが迫るのだが、
甘いムードに流れずビターな味わいがたまらないし、
タメにタメる展開が素晴らしい。
今回改めてその良さに興奮したノーザンダンサーの3曲目は
絶妙なベースラインに引っ張られるリズムに
エップスが抜群のリズム感で乗っかっていて、
一緒にベースを弾いていると、並大抵でない気持ち良さが味わえる。
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4曲目はゆったりとしたリズムに語りが乗る展開から一転して、
エップスが徐々に熱く歌いあげていくのだが、
演奏とコーラスが滑らかに盛り上げていく様がその筋にはたまらない展開。
5曲目はテムプスとかニューソウルの香りも漂う不穏な空気で始まるが、
ここでは、コーラスのカッコよさをプッシュしたいところ。
それぞれの声の活かし方を実に心得ていると思いますね。
ファルセットの切り込み方はかなりテムプスっぽい。
最後を締めるのが私の好きな<My love won’t stop at nothing>、
心の琴線を刺激しまくるメロディーライン、情熱的な4人の歌、
タイトなんだが かっちりしすぎない演奏、と非の打ち所がない名曲ですね。

ということで、久しぶりに聴いたら大コーフンなのだけど、
思えば1stが69年、未発表となった幻のアルバムが70年、
そしてこのアルバムが75年ということで、
70~75年というソウルの世界で最もおいしい時期に
アルバムが出ていないのが今となっては物凄く残念ですね。
4,5枚目あたりになると、当時猛威を振るったディスコに影響を受けていて
評論家筋に言わせると「骨太のファンクとして再評価できる」そうだけど、
やはり面白みには欠けてしまうのが事実ですしね。

となると、やはり期待したいのが、幻となっている70年のアルバム。
アルバムタイトルが「How Sweet He is」(SOUL 717)。
Sister Loveのアルバムとかラフィン幻のアルバム「DAVID」が
再発されたのだから、ここはなんとかHip-O Selectに
頑張ってもらわないところであります。
多分倉庫にはアルバムに入る予定だった曲以外にも凄いブツが
眠っているのは間違いないでしょうし。
お願いしますよ、期待してますよ、HIP-O SELECT、
ずっと付いて行きますから。
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ソウル界屈指の名シンガー、エップスさん、確証はないが、多分右端の人でしょう。
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by zhimuqing | 2011-08-09 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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