殺気と苦みと一抹の甘みと

ゴッパチ兄さんとプリマクさんと私という、
かなり変則的な組み合わせで渋谷のクアトロに出撃。
もちろんお目当てはマーク・リーボウ。
それにしても、偽キューバ人のアルバムに魅せられて半年強、
リーボウはすぐにでも見れそうだと思っていましたが、
まさか、このユニットで来日してくれるとは、
正直予想していませんでした。
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ゴッパチ兄さんのおかげで、結構早く入場することが出来、
かなり前の方で見ることが出来たのだけど、
実は大入り満員だったようで、リーボウの出番の前に
後ろが窮屈過ぎるので、少しずつ前に詰めてくださいと
場内アナウンスが流れるほど。
場内が蒸し暑かったのは、節電の為か、大入り満員のせいか、
リーボウの素晴らしい演奏のお陰か、
はたまた私とゴッパチ兄さん(多分)という体温が高いオッサンが
前列に陣取っていた為か、その辺はよく分かりません。

私はよく知らなかったのだが、当日は前座が2組いて、
個人的には早くリーボウが見たかったので、
まったく余計な真似を!と軽く憤っていたのですが、
サケロックのドラマー、伊藤大地は大変素晴らしく、
逆にお得感もあったかな?

外山明を思い起こさせる場面もあるほど、
愉快なフレーズを自在に叩き出していて、圧巻でしたね。
始めのほうはハイハットのキレに驚いていたのだが、
トータルな構成力が飛びぬけており、目が釘付けに。
第一印象「疲れたバルカン人」(by プリマクさん)は間違えていなかったようだ。
悪いが、他の3人はほとんど見ていない、というか、
ドラム以外に目と耳がどうしても向かなかった、というのが正直な感想。

ということで、お待ちかねのリーボウ先生率いる偽キューバ人達なのだが、
まずはメンバーのルックスが何とも味わい深い。
ドラマーのやや後退気味でのロン毛に緑色の眼鏡もいかしているが、
特筆すべきは、急遽代理で来たベーシストでしょう。
鶉の雛的な個性的な髪型に加え、頭部がアンキロサウルスのような形状を誇る。
目の感じは、海南島は海口在住の邱さんのようで、個人的に親しみが沸く。
(といっても、誰も分かりっこないのだけど)
でもって、アンペグのスクロールベースを弾くというのだから、
完全にマニア向け物件で、それだけでつかみは完璧ですね。

バンド全体の密度を変幻自在に操るマーク・リーボウ。
空気を薄めて幽玄な風景を描いたかと思えば、グイっと濃縮させ、
バンド内の空気の濃度が臨界に達したところで、
ギラギラしたソロが一気に弾け飛び散る様は
ものすごいカタルシスに満ちている。
(その瞬間に上がるオッサン達の歓声も味わい深かった。)
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足元のぺダル関係を見ようと、終演後前に皆さん、押し寄せてました。

様々な音楽を咀嚼しきった上でのあのギタープレイは
その瞬間瞬間で色合いが変わるので、まったく飽きることが無い。
ジミー・ノーランのようなカッティングかと思えば、
至上の愛のフレーズを散りばめたり、
まったく同じフレーズを弾いているように見せかけて、
微妙にもたらせてみたり、ルンバロック的なフレーズを入れてみたり。
渾然一体となったプレイを満喫させていただきました。
なによりも、殺気と苦味とそれを引き立たせる甘みも少々入った
リーボウのギターの音色がかっこいい。



こちらのベースは正規メンバー?のブラッド・ジョーンズ。
この声が入っていたほうが、もっと良かったかも。

リーボウもバンドも演奏に関して言えば、CDよりずっとラフでロック寄り。
そのお陰で分かりやすい演奏になりすぎていた感はあるし、
個人的にはもう少しラテン寄りにしてくれたほうが良かったかもしれない。
スクエアなドラムがもっと柔らかいニュアンスを出せたら、
更に凄いことになったような気もするが、
E.J.ロドリゲスのパーカッションがその部分を補って余りのある演奏を披露。
このバンドのもう一つの肝であることがよく分かりました。
いやあ、先々月の伊達弦もそうだったけど、ああいうパーカッションを見ると、
自分でも叩きたくなってしまいますね。
特に、ティンバレスは華やかでいいねえ。

それにしても、リーボウ先生、暑いのにジャケットを脱がずに
額からボトボト汗を垂らしながら、老眼鏡をかけて演奏しているのだけど、
あれはたぶん偽キューバ人というコンセプトに沿ったコスプレですね。
本当に底が知れないと言うか、技量とセンスとインテリジェンスと埋蔵量、
そしてなによりもユーモアが非常に高いレベルで拮抗している。
あの演奏を「アヴァンギャルド」等と一言で片付けてはいけないとも思いますね。

近年、矢野顕子と一緒に演奏しているらしいのだけど、
私の希望としては、やはりUAもしくは渋さ知らズとの
120分一本勝負が見てみたいですね。
あと、もう一つお願いするのだったら、やっぱりあれですよね、
偽キューバ人の3枚目、早く出してくださいよ!
なんだったら、ライブ盤でDVDとセットでも。
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ライブ終演後はゴッパチ兄さん、プリマクさんの3人で一杯飲んだのだが、
(私はもちろんソフトドリンクですけど)、
ゴッパチ兄さん所有のマニアックなギター談義で盛り上がり、
あやうく終電を逃しそうになってしまいましたよ。
もちろん私は置いてけぼりだったんだけど(笑)。
この二人の異種格闘技も早いところ、見てみたい気もするのだけど、
その辺は秋以降かな?
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by zhimuqing | 2011-08-06 01:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)
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