函館に出張に行っていたのです。
札幌は天気大荒れだったらしいのですけど、函館はほぼ快晴。 とはいえ、道「南」とはいえ、やはりそこは北海道、 スコーンと晴れ間が覗いているのだけど、最高気温0℃。 少し外を歩くと、頭がキンキンに冷えて、ビキビキしますね。 有名なロープウェイのある函館山もこんな感じ。 この海が津軽海峡、ということは、 この海に大間のマグロが泳いでいるのか?と 少しばかり男ぶりが上がった気もするが、 それはただの錯覚であるので、あまりの寒さに早々に建物内に避難。 底引き網によって、海底がフラットになってしまっているらしい。 そんな寒い中、ホテルの近くに良さげなレコード屋を発見したので、 仕事に引き続くご飯関係もそそくさと済ませて、 こっそりホテルを抜け出して、氷点下の寒さをものともせず、 歩いて見に行ったのだが、お店は閉まっている。 Open 12:00~22:00と書いてある立て看板は外に出ていたのですけどね。 閉まっているのか、閉店してしまったのか、 結構寂びれてしまっている街並みから想像するに、 後者の可能性が高そうではありますね。うーん、残念。 ということで、寒い外をうろつく間に聴く音楽は?といえば、 寒い、雪=ニューヨークということで、マンボにしようと思っていたのだが、 シャッフルにしているiPodから流れたハウリン・ウルフに悶絶。 あのだみ声というか、猥雑というか、モジャモジャした声、 実は寒い北海道、しかも少し寂びれた街並みの空気感に あまりにもハマるので、我ながらビックリ。 まあ、冬のシカゴは北のミシガン湖から吹く風が 猛烈に寒いらしいですので、まあハマって然るべく? それを通り越して、「岩石」といった感じもする。 そんなわけで、北の大地でハウリン・ウルフに開眼した訳ですけど、 これまでどちらかというと、テキサス~西海岸系のブルーズが 好きだった私、ウルフのCDはあまり持ってなくて、 iPodに入っているのも大名盤の誉れ高い「Mornin’ in the moonlight」と 「Howlin’ Wolf」のカップリングのあのCDのみ。 なんですけど、このCD、曲数も24曲と多いが、 音楽的に物凄い情報量が詰まっているので、 1枚でも飽きることはないですね。 格好良く言うと、アーシーとでも言うんですか、あの感じにグッと来る。 なんといってもチェス、フレッド・ビロウは凄いねぇ、と思っていたのだけど、 良く良くライナー見ると、ビロウも叩いてはいるのだけど、 私の好きな曲でドラム叩いているのは、アール・フィリップスという人らしいです。 ウルフに激しく反応するギターは流石ヒューバート・サムリン!、 かっこよすぎると思っていると、実はウィリー・ジョンソンという人だったりと、 ブルーズ界の人材はあまりに豊富すぎて、やっぱり相当奥が深そうだと再認識。 個人的には、ハウリン・ウルフはギターと二人だけというシンプルな編成より 本人の歌+ハープにギター2本+ピアノ+ベース+ドラムという編成の方が 今のところは好みなんですね。 オーティス・スパンのピアノがキラキラと弾けて、 ディクソンとフィリップスがブーンズーンと重い音塊を押しだす中、 ウルフが吠えまくって、サムリンがそこに絡むというのが 他では得難い味わいですよね。 アグレッシブなギターのイメージとうまくマッチングしないです、はい。 それにしても、こうやって集中して聞くと、 ウィリー・ディクソンのベースが凄いということも改めて発見。 どちらかというと、名ソングライター兼名アレンジャーで、 チェス・レーベルの名監督というイメージが強いのだけど、 ツービート的な極めてシンプルなフレーズしか弾かないのに、 ズシーンと響く、この存在感は物凄い。 一音一音に入魂すべし、という角度から捉えると、 ベーシストとして究極の姿といえるかもしれないですね。 そんな部分を含めて偉大なのだと思います、はい。 ということで、ウルフにも目覚めつつある今日この頃ですけど、 マディなんかもそうだけど、こういう野性味というか精製されていないというか、 山に放り込んでも、なんか適当に野山の獣や草を食べて生き残っていそうな こういう獣の雄という感じの魅力を持つミュージシャンは 今後なかなか現れないのでしょうね。 我が家のヨウたろうにも、こういう野性味を身につけてほしいものだけど、 一体どうしたらよいのでしょう? まずは私が率先して野人化して、範を示すしかないのでしょうか? こうやって考えると、子育てというのもなかなか難しいものです、はい。
by zhimuqing
| 2011-03-04 23:28
| Blues 4 Terapin
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