ピンと来ない時は熟成に限る

スティーブ・マンチャ追悼として、ホットワックスやインヴィクタスを
色々聞いているのですけど、名グループがごろごろしているのに、
そのほとんどがメンバー不詳の謎のグループというところが、
これまで色々なマニアを惹きつけてきた理由なのでしょうね。

マンチャ、メルヴィン・デイヴィス、バリノ・ブラザーズの御三家はもとより、
アルバムの数曲だけで歌っている氏名不詳の謎のシンガー達に至るまで、
このレーベルが抱える歌手の凄さは黒人音楽史上屈指のもの。
良い曲も多いし、これを評価しないで、何を評価するという感じなのだけど、
実は私、このレーベル特有の硬めの音質、ちょっと苦手だったんですよね。
歌を包み込むような、あるいは歌との一体感に欠けるといいますか。
演奏自体も結構いなたくて、継ぎ接ぎしているような所も目立ちますしね。

とはいえ、ここ数年、ディープ・ファンクなんかのムーブメントもあったし、
こういう音作りに関して、耳が慣れてきたというのもあるのか、
私の鼓膜に素直に浸透してくるようになってきたことを発見。
良い音楽は耳が熟成すると聞こえ方が変わるので、
ピンとこない時は熟成させておくに限ります。
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とはいえ、メルヴィン・デイヴィス率いるエイス・デイの1stは、
誰もが疑問を感じてしまうアルバム・ジャケットを除くと、
60年代モータウンの流れで聞けるし、音質もそんなに違和感無い。
なによりメルヴィン・デイヴィス(と誰か分からない歌手)の歌の
漆黒のカッコよさといったら、全盛期のデイヴィッド・ラフィンと
比肩しても全く遜色ない。
人によっては、デトロイト最高峰の歌手だというのも頷ける話だ。
ラフィンと節回しに少し似た部分があるような気もするのだけど、
この二人+マンチャが同じグループにいたということで、
お互い影響を与えたのかもしれないなあ、等と妄想も広がります。
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私の持っているヴィヴィッド盤のCDは100プルーフの曲を取り除いて、
メルヴィンのソロ曲を入れたりして整理されたものだが、解説を読むと、
バンド・メンバーの名前も分かっているらしいのだが、
実際の演奏をこのメンバーがやっているかどうかも良く分からないらしい。
第一、2曲目や5曲目を歌うメルヴィンよりもざらついた声の持ち主、
サム・クック節が披露される4曲目も、メロウに歌われる7曲目も
誰が歌っているか分からないらしく、謎が謎を呼ぶ状態で
もはや私の手には負えませんね。

アルバムは一部整理されているだけあって、どの曲も良いのだが、
70年代のグループものを意識した語り入りのミディアムよりも。
個人的にはファンキー寄りのノーザンソウルである曲が好み。
特にアルバム冒頭からの3連発はたまりません。
ベースも効いているけど、ギターをリズムの芯に沿えられているところも
ポイント高いですけど、やっぱり歌が凄いね。
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こうやってみると、結構長身っぽい。
デイヴィッド・ラフィンと並ぶとさぞかし壮観だったろう。
しかし、なんとまあ、合成臭い写真!

正統派のノーザンのリズムにノリまくるメルヴィンが映えまくる1曲目、
歌い手知らずの2曲目はよりストレートなアップテムポ、
途中で聴かせるゴスペル直系のシャウトがたまらないのだが、
意外と風邪気味のメルヴィンだったりするのかな?と思ったり。
3曲目はもう少しファンキー寄りなのだけど、
ここでのメルヴィンはやや強引にフレーズを引っ張りたりしてて、
かなりラフィンっぽくて私は燃えてしまうのだ。

メルヴィン・デイヴィス、実はこれ以前の音源も
これ以降の音源もCDにまとめられているのですが、
私はまだそこまで手が回っていなかったんですけど、
やっぱりこれだけの歌手なので、きちんと聴いておかないといけないですね。
うーむ、反省反省。
とはいえ、国内盤は入手困難になってますねぇ。
さて、どうするか?
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これまた、妙なジャケットだけど、これに怯んではダメなのだろう。
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by zhimuqing | 2011-01-18 22:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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