クリスマス・アルバムというのは、
ソウル界に限ってみても結構沢山あるのですけど、 どうしても季節モノなんで、買うチャンスを逃してしまうと、 また1年待たなきゃいけないってのが難しい?ところですね。 なもんで、私も買わなきゃいけないと思いつつも、 買いそびれているブツがいっぱいありますよ。 ラサーン・パターソンとかフェイス・エヴァンスは持っているけど、 オージェイズとかパティ・ラベールなんかは、 毎年買おうと思いつつ、未だに入手できてません。 クリスマス曲のコンプリート集「The Complete James Brown Christmas」、 無事に捕獲出来たんで、クリスチャンではないんですけど、 季節柄、家で結構かけていたりするのです。 このコンプリート集、66年~70年に発売されたJBのアルバムに シングルと未発表テイクを合わせたものなんですけど、 なんと言っても泣く子も踊るこの時期のJBですから、 悪い筈がある訳無いですね。 一番聞き応えがあるのは、面白い事に最初のアルバムなんですね。 そしてチャールズ・ブラウンだと思うんだけど、 そのチャールズ・ブラウン直系のジャズ・ブルース的な音をバックに JBの素晴らしい泣きの節回しが映えること映えること。 全曲必聴と言っても良いのではないでしょうかね。 完全に余談ですが、私の携帯で「JB」と打つ時は 「な」「き」と打った後に変換することに気が付いた私。 やはりauの携帯もJBの魅力の一つに「泣き」だと認識しているのか? バックのミュージシャンには、ピーウィーとクライド、ノーラン、 そしてボビー・バードぐらいしか有名処がいないですけど、 インスト曲でJBのソウルフルなピアノが聞けるところが嬉しいですね。 数曲ではノーランの通常より3倍増しのブルージーなギターが楽しめる。 因みにライナーによると、クライドはこの時JBとの初録音だったらしい。 スウィート・チャールズあたりのいつもの面々も加わって、 どファンクはないものの、これまた愉快な演奏。 メイシオ他の随所に入るソロも短いが、なかなか痛快。 曲名にはなかなか興味深いものが多いですね。 Santa Claus go straight to the Ghettoとか、 Let’s unite the whole world at Christmasなんて曲は まさにこの時代の熱い気持ちの高ぶりを感じさせます。 他にも、Santa Claus gave me a brand new startなんて曲も興味深いが、 これはインストでしたね。 Soulful ChristmasやChristmas is comingは 結構ストレートなファンキー・ソウルでかっちょいい。 全体的にヴァイブが使われているのはJBとしては珍しいのだけど、 ブルージーさは大分薄れてしまっているかな? そんな中、何故か唐突にSay it loud – I’m black and proudが収録されていて、 これは一体どういう意図だったのか良く分からないけど、 当時のJBの支持層はほぼ100%ブラックだったはずだし、 JBらしいチョイスだとも言えますね。 JBのロードバンドを使っていないので、前の2枚に比べると、 面白味というか旨みが欠けてしまうのは、仕方ないですかね。 JBの歌自体は素晴らしいけど、ブルージーさはかなり減少してて JBがファンクを磨きに磨いて完成させていく中で、 削り取っていったものがその辺りなのだということが 分かるような気がしますね。 LPに収められていないシングル曲のIt’s Christmas timeでは ベーシストとして、William Upchurchとクレジットされてるけど、 アップチャーチという名前のミュージシャンはあまりいないんで、 やっぱりこれはフィル・アップチャーチなのでしょう。 この人は本当に神出鬼没だけど、ベースでもギター同様に 神業を発揮していて、本当にすごい人だ。 ということで、明日クリスマスの25日はJBの命日。 あれからもう4年も経ってしまったんですねぇ。 最後まで仕事のことを気にしていて、 マイケルやプリンスとしなければならない仕事があるのだと 周囲に語っていた現代のポピュラー音楽最大の巨人を これを聞きながら、思いを馳せているクリスマスイブなのであります。
by zhimuqing
| 2010-12-24 23:28
| Funkentelechy
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