メロウに芸人魂

アメリカも不景気でCDなかなか売れないためでしょうか、
一年で一番サイフが緩むこの時期に
R&B界が新作をこれでもかという感じで投下して来るので、
追っかけるこちらはなかなか大変な目に会っていますね。
しかも、不作だった2010年の帳尻を合わせるかのように、
なかなかの力作が続くので、嬉しい悲鳴ってやつですね。
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ということで、R.ケリーの新作なのですが、
一部でかなりソウル色濃厚だという評判だったし、
ジャケはモロにリトル・スティービー・ワンダーだし、で
かなり期待を込めて聴きましたよ。

結論から言うと、R.ケリーの最高傑作群であるChocolate Factoryや
Love Island、Happy People/U Saved Me には流石に及ばないものの、
ここ何作の中では一番好きなアルバムですかね。
R.ケリーはその時々の流行りを取り入れたアップナムバーや
仰々しさを感じる程ベタベタのバラードを作ったりもしますが、
個人的にはChocolate Factoryで開発?した
シカゴの伝統を踏まえたステッパーズこそが、この人の魅力。

そういう私なので、やはりアルバム前半のステッパーズの5連打に降参。
はっきり言って曲調がそっくり、メロディーも明確でないし、
似たような曲が続くのだけど、でしゃばらないワウ、おくゆかしいベース、
チープなのにこの人が使うとメロウになってしまうシンセが
寄せ木細工のように重なると、このエロ芸人(失礼)の歌が
このうえなく誠実な男の歌に聞こえて来るから、本当に不思議なものだ。
歌い回しに少しだけマイケルの影も感じるのが新しい発見かな。
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なんといってもタイトルナムバーのLove Letter(これまたベタなタイトル)は
中盤で必殺のメロウなコード使いが炸裂して、ああ、これこれって感じですね。
続くNumber One Hitは、マイケルのスリラーやシャーデーのスムーズオペレーター、
タイタニックや星の王子様ニューヨークに行くのように、貴方は俺の№1ヒットだという、
本気なのかふざけているか、分からない歌詞が楽しい。

7曲目のTaxi Cab はケリー得意のエロソングなのだが、
ギターがフューチャーされた、これまでの展開をぶった切るような曲調で、
この曲を境目によりソウルを意識した展開に。
微かにサム・クック風味を漂わせる9,14曲目は
シンプルなコード進行を含め、ケリーの新必殺技になっていくのかな?

LAに移転直前の60年代後半のモータウンの音を再現したLove is は
最近私の大のお気に入りになりつつあるクリセット・ミッシェルとのデュエット。
清々とした歌いっぷり、はっきり言って私の好みです。
マーヴィンのJust To Keep You Satisfiedにしか聞こえない12曲目は
ちゃんとクレジットに作者の名前入れなさいと言いたくなるけど、
Rケリーだったら許されるかな?という気持ちになるのは、
この人を芸人として私が評価しているからかな?
最後に入ったボーナストラックはMJとのあの曲のセルフカバー。
冒頭に入るケリーのメッセージが泣かせますが、
ブックレットに一切クレジットも曲目も書かれておらず、
iTunesでもBonus Track としか曲名が書かれない徹底ぶり。
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ということで、前作、前前作よりもずっとお気に入りの1枚。
もう少しこの路線を突き詰めていってほしいものだ。
ついでにLove Island も正規で発売してくれないかな?
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by zhimuqing | 2010-12-19 12:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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