底しれない伸びしろに感服する

連休初日の土曜日、ムスメ人生初の運動会だったのだが、
朝から天気が悪いというより、雨がちらつく中、
強行で始まったのですが、結局途中で中止する羽目に。
初めから雨降ってたんだから、最初から中止にすればよかったのに。
でもって、明後日11日に延期ということなんですけど、
11日は日比谷野音でスタッフ・ベンダ・ビリリを見ることになってるので、
少し悩ましいところですね。

さて、それはおいといて、ジャネール・モネエなのだ、兄さん!
我が家のムスメも虜にするモネエですよ。
ようやく、じっくり聞くことが出来ました。
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さて、肝心の中身なのだが、R&Bとしてだけでなく、
ポピュラー・ミュージックとしても今年度屈指のアルバムでしょう。
どうも畏友P氏はいまいち私を信用していないようだが、
2010年、これを聞かずに何を聞くのだ!

アルバム聞くまでは、もっとイケイケというか、
分厚くて音数が多い音作りなのかな、と予想していたのだが、
けっして音を塗り込めるなんてことはなく、
モネエの歌というか、世界観を表現するために
アルバム全体を通して練りに練り込まれている。

ブックレットを見ると、歌詞は載せられていないものの、
各曲のタイトルのところにインスピレーションを受けたモノ?が
1曲ずつ書かれているのだが、この並びがいちいち面白い。
フェラ・クティの煙草、ボブ・マーレーのスマイル、
JBのケープ(これはどの曲か良く分かる)、モハメッド・アリの拳、
ルークのライトセーバのブルー、スティーヴィーのサングラス等等。
これだけで、もう合格という感じですねえ。

で中身の方は、全曲解説しても良い程の充実したアルバムだ。
曲も歌も実に様々な表情を見せるのだが、
それぞれが良く出来ていて困ってしまう。
さあ、レッツゴー!

M1:Suite Ⅱ Overture
映画のようなゴージャスな幕開け。最後の拍手の音がそのまま次の曲に繋がっていく。

M2:Dance Or Die
Dance or Dieと名付けられたナムバー、リズムは完全にアフロビート、
音の感じとしてはRed Hot & Riotに近い、ヒップホップ経由の音。
クールにたたみかけるボーカルも良いが、グニャグニャしたギターソロも絶品。

M3:Faster
メドレーで続くこのダンスナムバー。
2本重ねられるギターにアフロビートの匂いもプンプン。
前半にグルーヴの波にスムーズに乗っかる歌が、中盤で逆にグルーヴを支配し、
後半でより生々しく熱く歌い込むという、モネエの実力が露わになる一曲。

M4:Locked Inside
これまたメドレーで続くファンキー。
この時点ですでに何度もノックダウンしている私。
70年代のスティービーが作りそうなコード展開なのだが、
途中にマイケルのあの曲が歌い込まれていて、何か泣けてきそうなそういう曲。
後半のギターと歌の掛け合いがソウルフルなのだが、
すかさずバックにマリンバの音なんかが重なって来て
あまりのカラフルさに頭がクラクラする。
モネエが駆け上がったところでエンディング。
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M5:Sir Greendown
いきなり出てくる滑らかな歌。声帯の震えを活かしきった佳品。
この肌理細やかな歌はモネエの隠れた必殺技であることが後ほど判明する。

M6:Cold War
ロッキシュだけど、打ち込みのリズムは完全にヒップホップ。
ストレートな歌は前半から全力だが、最後までテンションが落ちることもない。

M7:Tightrope
問答無用のファンクナンバー。途中に入れる掛け声が絶妙。
歴代のJBの女性シンガーよりも一枚も二枚も上手なのは、
誰が聞いても良く分かると思う。
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M8:Neon Gumbo
テープの逆回転?メニームーンズのような音も聞こえて来るインタルード。

M9:Oh, Maker
アコギの引き語りで始まる、アルバム中もっともノーマル?な曲。
前半は丁寧に感情を迎えた歌だが、ブリッジに入ると、いきなりソウルフルな節回しを。
素晴らしい。バックのコーラスは少し不思議な感じ。
スペイシーな演奏がインタールード的に最後に挟まる。

M10:Come Alive
一番ロック的な曲。ロックシンガーとしても優れた力量を持つことが分かるけど、
他の曲に比べると、楽曲自体がやや弱いか。
とはいえ、ギターも歌も結構カッコいい。

M11:Mushrooms & Roses
同じロック系だったら、こちらの方がはるかに面白い。
全編歌にエフェクトをかけて位相をずらしてヨレヨレに迫る。
プリンスの名作Around ・・・に近いかも。ギターの泣き節もよれている。
タイトルの茸には魔法がかかっているのでは。
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M12:Suite Ⅲ Overtune
ゴージャスなインタールード、ここから2部、というか、
ミニアルバムと合わせると、ここから第3部。

M13:Neon Valley Street
たゆたう歌唱が蠱惑的だが、メリハリの効いたリズムで甘くならずに済んでいる。
中盤コーラスが入ってくると、菅楽器のアンサンブルが穏やかに重なり、
最後にParkerのギターも揺らめきながら、なだらかに消えていく。 

M14:Make The Bus
プリンス~アウトキャスト直系のストレンジなナムバー。
サーラー一派が今やっていることにもかなり近いと思う。
おそらくフューチャーされているMontrealの色が濃いのか。
ここでも声の使い分けが見事だが、リードを分け合うKevin Barnesの
ファンキーな歌も良い。このMontrealにも注目しておいた方が良いかも。
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M15:Wonderland
いきなり舌っ足らずな歌に全く同じ歌手とは思えない。
ポップで可愛い曲なのだが、モネエによる多重録音のコーラスが
前面に出てくる中盤の美しさはたまらない。

M16:57821
サウンド・オブ・サイレンスmeets エンヤ?
かなり意表を突かれてしまう。
後半に出てくるモネエの琥珀色の声は美しい。

M17:Say You’ll Go
プロデューサーであるディープコットンの二人をフューチャー。
昇華されていく感じの展開は、どこかで聞いたことあるのだけど、
どうしても思い出せない。
ピアノの弾き語りで締めくくるラストも実に見事。

M18:BabopbyeYa
ゴージャスなバックに対し、ジャジーに歌い込む前半もよいが、
カラフルなリズムに変化する中盤以降の展開が見事。
アルバム最後を締めくくるのにふさわしい曲。
でもって次作への期待を大いにかきたてる。

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それにしても、まったく違うタイプの曲を揃えつつも
見事な統一感がある素晴らしいアルバムだ。
今年の間違いなく最高峰のアルバムだと気持ちは
もう確信になりましたね。
ジャネール・モネエという歌手・アーティストの底知れない伸びしろに
私の期待は高まるばかり
プロデューサーとしての、モネエ及びその仲間である
チャック・ライトニングとネイト・ワンダーにもね。
早く日本に来てくれないかなぁ。

でも、日本盤出ていないんですよね。
歌詞が欲しくて日本盤、珍しく探したのに。
レコード会社の怠慢以外の何物でもない。
今年これを売らなくて、何を売るというのだ!
いくらCDが売れないと言われてても、これを発売しないというのは
ひどすぎる、というか、センスがなさ過ぎる。

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あと全編通じて、ギターが中心になっている曲が多いのもポイントが高い。
ソロにリズムに大活躍のギタリスト、Kellindo Parkerさん、
ルックスもファンキーだが、なかなか変態っぽい演奏も素晴らしく、
一体何者?と思っていたのですが、なんとメイシオの甥っ子らしい。
名脇役の血筋は争えないのか?
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私は貴方にも非常に期待しております。
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by zhimuqing | 2010-10-10 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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