ムスメの水泳教室の付き添いで幼稚園に行き、
ホールで二人で昼ご飯を食べていたところ、
年長さんの男の子がムスメの気を引こうと、色々仕掛けてきました。
わざと我々のテーブルの近くでブツブツ言いながらウロウロしたり、
鼻輪?をつけて牛の真似をしながら歩いてきたり、
我々のテーブルの近くでわざと鬼ごっこで捕まえられたり、と
健気なアピール具合になかなかグッと来ましたよ。
ただ、グッとは来るのだが、なにせアピール対象が良くない。
そのアピールの情熱は向こうのテーブルに座っているあの娘に向けろよ、と
言いたくなるのを、笑顔でグッと我慢。
しかも、隣に座っている私のことは眼中に無いみたいで、
私を全く相手にしようとしないのも問題だ。
まず取り入るのなら、私からだろうに!
「将を射んとせば、まず馬を射よ」という言葉を幼稚園で習ってないの?と
問いかけそうになるのを、これまた笑顔で我慢。
さて、そういう若干甘酸っぱい夏の日であるわけですが、
先日入手したキース・スウェットの新作(といっても6月発売だが)、
これはなかなか良いですね。
ソウルクェリアンズ絡みでない、いわゆる普通?の歌を聞かせるR&Bでは
ここ2,3年出たアルバムの中でも、かなり上位に来るレベルかも。
アルバム冒頭のオートチューン使いが結構話題になっているのだが、
もともとロジャーと共演したり、ボーコーダー散りばめる人だったんで、
個人的にはまったく違和感なし。
むしろ、その辺をど真ん中にドカーンと打ち出すのではなく、
アルバム全編通してユラユラチロチロと見え隠れさせるように使って
歌世界を引き立たせているところは、流石はスウェット様だわいと感心。
やっぱりこの人は『歌』のことを分かってますね。
ほとんどの曲のプロデュースを任されているのは、Wirlie Morris。
といっても、私この人のことはほとんど分かりません。
クレジットに載ってる他の名前もほとんど見覚えないなぁと眺めていると、
6曲目のところで、随分懐かしい名前を発見。
スティーブ・ラッセルとチャッキー・ブッカー!
元Troopのリードボーカルとそのプロデューサーのコンビですね。
ウーン、懐かしい!
Troop の2ndとかチャッキー・ブッカーの1stと2ndは
当時良く聞いたものでしたけど、すっかりその名前を失念してました。
ジャネットのツアーの音楽監督してた頃までは
チャッキー・ブッカーをフォローしてたんだけど、
その後名前を聞かなくなったんでね。
元気に活動していたようで、何よりです。
このセカンドは大好きだったんだけど、我が家の在庫には見当たらない模様。
ブラザGのところか?
そうなると、ゲンキンなもので、6曲目がとても良いように思えてくる。
メエメエと形容されるスウェットの歌に絡まるボーコーダーは
緩やかに泳いでいる時の、肌の周りに流れていく冷たい水のようで、
少し風が出てきたこの時期の夕方~夜の空気にピッタリだ。
スレイブのスティーブ・ワシントンに似た性質のスウェットの歌は、
水分含有率が高いが、どことなくヒンヤリした肌触り。
ヴォーコーダーとの相性も抜群だ。
全くタイプは異なるし、それぞれのファンから反論も受けそうだけど、
シャーデー・アデュと重なる部分も感じるのであります。
(個人的には、こういう音で歌うシャーデーも聞いてみたいものだ。)
アルバム全体でもメロウなミッド~スロウ・ナムバーが多く、
つまりキース・スウェットの持ち味が一番活かされる曲調。
中途半端に新しいことをやっていないのも吉と出たのかな。
レゲトンとかそういう私が多少苦手にしている曲が無いのも良い。
革新的な音楽で無いし、曲調も多少平板かもしれないが、
私はこのやるせない大王スウェットの世界に
どっぷり頭まで漬かることが出来たらそれで満足なんで、
このアルバム、私は諸手を上げて賛成です。
このライブ盤も本当に良い。
カットクロースやシルクにも感涙。