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一期一会で終わらせたくない

ポケットに入れていた家の鍵を電車の中で無くしてしまい、おかげで、昨日は家に帰れない、というか、入れない。なので、K奈川県の実家に帰ったんだけど、そのおかげ?で、カルロス・イシカワ氏と横浜で会うことが出来たのだ。先日モヤーン氏とファーストコンタクトを果たしたカルロスさん、留学(もちろん無償)で3ヶ月間来日しているのだ。

20年前に日本に留学していた日系3世のカルロスさんはラテンアメリカ最高峰の超名門サンパウロ大学を出ているだけあってさすがに頭脳超明晰、日本語も流暢、しかも素晴らしい人柄ということで、これは良い機会とばかり、様々な話題を話し合ったのだ。

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インディオばりの髪型は慣れてくると、なかなかヒップな感じを受けてくるのが不思議。

70年代のMPB全盛期の話。当時の軍事政権と深く関わったミュージシャンのその後。軍事政権に立ち向かったシコ・ブアルキの歌詞。

日系人として日本に来た時に感じたギャップ。東京で感じる希薄な人間関係。日本人と結婚した友人との感覚の違い。世代を重ねる毎に遠くなっていく日系人の中の日本文化。

アメリカナイズされた文化の限界。その中で持続性のある一次産業を立ち上げる事の難しさ。海外でのアメリカの傍若無人な振る舞い。インフレが比較的収まっているブラジルの現状

ブラジリアの建築の面白さと文化の味気なさ。エルメート・パスコアールの音楽の素晴らしさ。ノルジスチとリオと南部の女性、それぞれの魅力。先のワールドカップでのドゥンガの選手起用の失敗

ポルトガル語とスペインの北部地方の言葉の類似性。ブラジルと近隣ラテンアメリカ諸国との関連。昔の先生や友人との再会、日本に残っている親戚との邂逅。2世の母親が納豆を家で作っていたこと。日本食が好きだと言って白ご飯に醤油をタップリかけるブラジル人。ブラジルに帰ると真っ先に食べたいのは、フェイジョアーダ。

何しろ相手の懐が深いので、話題が各方面から湧き出てくる。当然話題はカルナヴァルからサンバ、バイーアと来て、カンドンブレへ。

カンドンブレはあまり詳しくないが、と言いつつも、アフリカ由来の神々オリシャとか、海に関係した神が多いとか、キリスト教の聖人にそれぞれが関係付けられているとか、スピリットとして降りてくることもあるとか、色々な枝に分かれていて、良い行いに導いてくれることもあれば、そうでないこともあるとか、カエターノやジルのようなアーティストは深く影響を受けているとか、ただならない知識を披露してくれて、こちらはもう嬉しくなって仕方が無い。本当は深く関係しているのでは?と思わせるのに十分。

初めて会ったとは思えないぐらいに濃厚な3時間強、最後は桜木町の駅前でストリートダンサーよろしくホンマもんのサンバのステップを習って、お別れしたのであった。金曜日にはブラジルに帰ってしまうのが大変残念だ。

人生は一期一会というが、再び相まみえることが出来るのか?
多分会えるような気がしてならない。オリシャの神々の導きがありますように。

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サンパウロ大学出身といえば、シコ・ブアルキ。CDのボックスセット大事に聞いています。

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サンパウロ大学といえば、フェルナンド・メイレレス。『シティ・オブ・ゴッド』に『ナイロビの蜂』、いずれも10点満点!

by zhimuqing | 2010-08-03 23:13 | Chega de Saudade | Comments(0)
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