そんなに早く戻らなくてもよかろうに。

6月は呪われた月なのか?

オムツ姿で有名なPファンクの切り込み隊長、
ゲイリー・シャイダーが宇宙に帰ってしまった。
e0147206_0514972.jpg


どうしてもPファンクというと、クリントンやブーチーが目立つし、
演奏面ではエディ、バーニー、フレッド、ブラックバード等の名前があがるし、
歌の面ではゴーインズやレイ・デイヴィス程、喉に恵まれていた訳でもない。
そのルックスからシャイダーはどうしてもPファンクのビジュアル担当の
イメージが強いことは否めない。

が、しかし、誰が何と言おうと、バップガンをぶちかますシャイダーが
Pの番頭であり、精神的な柱であり、類い稀なフロントマンであり、
ブルースを根っこに持つしぶといギタリストであり、
アフロセントリックな伝統の正しい継承者であることは
疑いようのないことなのである。
e0147206_0495281.jpg

ジョージ・クリントンという超弩級のファンクネスの触媒によって
初めてシャイダーが光り輝いたのは間違いないが、
シャイダーという持続的に眩いファンクネスを放つ素材がなければ、
クリントンはこんなに長い間輝くことが出来たかどうか?

世間的にはオムツを穿いたファンキーなオヤジというイメージだし、
以前来日したシャイダーは自分のオムツ姿のことを
ピーターパン・シンドローム故のこの姿なのだ、と説明していたが、
それは若人を引き寄せるために間口を広く見せているだけなのだろう。
e0147206_0501559.jpg
意識的であったか、無意識であったかは分からないが、
パーラメントの諸名作で描かれた常識や良識という名の元に、
自分達が勝手に決めたルールや限界に縛られた大人の世界、
そして、それは時に世界の固定化に繋がってしまうということを、
バップガンで生涯をかけて警鐘を鳴らし続けてきたのだろう。
無邪気と我儘(あるがままとも言う)と無欲な子供の心に帰ることで、
自己規制の網から逃れるのだと訴え続けてきたのだろうと
今になって思えば、そういう風に思うのだ。
e0147206_0532344.jpg


そこに見えるのは、一人のミュージシャン、一人のファンカティアー、
一人の芸人としての一貫した佇まい。
見事な音楽人生だったと思う。
e0147206_0504982.jpg

ゲイリー・シャイダーはPファンクのへこたれない熱い魂。
苦境の時も前進し続けるし、宇宙に戻ったって前進し続けるのだ。
貴方の姿をもう見ることが出来ないと思うと、本当に寂しいです。
でも、残された我々も貴方を見習って進み続けるしかないのだ。
ありがとう、ゲイリー・シャイダー。
オムツ姿でギターを弾いて歌う貴方の姿は決して忘れません。
e0147206_0512713.jpg


ブラックバード夫人のブログに掲載されたラストメッセージ。
物凄い衝撃、言葉も出ない。

Alright my family, friends, and fans.
I've come to the end of my funky journey,
and it was a hell of a ride!!
No tears, just continue to spread the grooveallegiance around the world
so that we live on!!
Love you guys!! Think of me when u look up at the stars!!
Starchild

ファミリー、友人、そしてファンのみんな、俺のファンキー人生は終わったよ。
なんてローラーコースターな人生だったんだ!
泣くなよ。世界中にグルーブを広げるんだ。
そうすれば俺達は生き続けることができるからな。
みんなのことを愛してるよ。夜空の星を見たら俺を思い出してくれ。
Starchild
[PR]
by zhimuqing | 2010-06-17 23:15 | Funkentelechy | Comments(2)
Commented by M.A. at 2010-06-18 10:34 x
3連ちゃんでお邪魔しますです。
ゲイリー・シャイダー(私は「シダー」で刷り込まれた)56歳…このところの訃報続きには
場違いながらどうしても昭和終わりけりを感じてしまいます。
彼のビジュアルの素晴らしさ、何といってもあの肌つやの良さが忘れられません。
そういう意味で最後の写真、悶絶です……。

そんでもってしつこく下の続きを。
プリンス初期でもHEADとDMSRはオレもチョー好き(笑)!
楽器弾きながら横っ飛びにスライドするあの踊り、シュガーのバンドでもやってましたよ!!!
Commented by zhimuqing at 2010-06-19 23:22
>> M.A.さま

ゲイリーの件はやっぱりショックですね。
56歳ですからね、若すぎますよ。
時代は変わっていくものでしょうけど、何とも寂しいものです。

最近の写真を見ると、一気に老けこんでいたし、
ブラックバードの奥さんのブログで健康状態が悪いのも読んでたので、
心配してはいたのですが、こんなに早く逝ってしまうとは
全く予想していませんでしたよ。
シャイダーのいないPファンク・オールスターズなんて・・・。

プリンスの初期、特に3、4枚目あたりは
今こそ再評価されるべきなんじゃないかと
最近強く思っている所でした。
時にあの横っ飛びスライド踊り、アレは何て名前なんでしょうね。
ゲイリー亡き今、私は日々の生活にあの動きを取り入れて、
世界にグルーヴを広げていこうと思います。
(といっても、ゲイリーとかPファンカーがやってるのは見たことないですけど。)
<< ジェダイの騎士 耳の穴、かっぽじったぞ >>