Rumble in the jungle

ワールドカップが始まった訳ですが、
えーっと私があまり応援していない国は
ドイツとかイタリアとかイングランドですね。
ブラジルに関しては、国や音楽、文化は大好きですが、
サッカーに関してはなぜかあまり応援したくない感じ。

応援している国を発表すると負けてしまいそうなので、秘密にしておくとして
日本チームには全く期待していません、はい。
それにしてもブブゼラ、大量に吹き鳴らされるとドローン効果が出てるみたいで、
非常にカッコよいので、なんとか入手して、
ロンマクさんにラサーンばりに3本くらい一遍に鳴らしてもらうとしよう。
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さて、話題の『ソウル・パワー』、ようやく見たのですが、
資料的にも音楽的にも価値が高い一本だと思いますよ。
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ただね、いかんせん肝心のライブの映像が短すぎる。
1アーティストにつき1曲はどう考えても欲求不満になってしまう。
(JBだけは別格扱いだけど)
噂では様々な場面を含めて100時間以上あるというし、
音楽イベントだけでも12時間あるらしいし、
少なくとも5枚組ぐらいで、ライブ映像完全版DVDを出すべきですね。

前半のライブイベントが行われるまでの経緯を写した映像は
身近なところでも「眠くなる」等と言う意見もありますが、
これはこれで結構貴重なドキュメンタリー。
確かにスタジアムでの会場設営の映像は一部退屈だが、
イベントの出資者がスケジュール通りに行かずにイラつく場面や
当時のキンシャサの風景、人々の姿は割とヴィヴィッドに撮られており、
それだけでも見る価値があると思う。

イベント前のアーティスト達の映像も面白く、
ファニアのアーティストが飛行機の中で楽器を持って大騒ぎしている姿や
ストークリー・カーマイケルとモハメド・アリの邂逅(一瞬だけだが)とか、
レセプションで自分のヒット曲名を巧みに組み合わせるJBとか、
実に興味深い映像がてんこ盛りだ。

ライブの映像では更に見どころが満載で、
迫力ある映像に加え、音質がかなり良いのも特筆すべき点ですかね。
新しい発見がたくさんあって、身を乗り出してしまうものばかり。

フィリップ・ウィン時代のスピナーズは軟弱な印象しかなかったが、
ここで見せる歌唱、振り付け、そしてバンドの音は実にラフでタフ。
予想以上に黒光りしていて驚いた。
ジェントルなイメージとは正反対のウィンの立ち居振る舞いは
さすがにブーチーの盟友だっただけのことはある。

ミリアム・マケーバとかフランコの動く姿も感動したが、
レイ・ブーンのバックバンドのベーシストは
JBズ時代のブーチーに匹敵しそうなベースを弾いている(ような気がした。)
アフリカ勢で他に印象に残ったのはマヌ・ディバンゴ。
ソプラノサックスを吹きながら、子供たちや若者たちと
見事名乗りを作る場面は結構燃えました。

BBキングのスリル・イズ・ゴーンは正直あまり好きではないのですが、
この時のバックの演奏は実にファンキーで、印象が変わりましたね。
あと、ソロ・フレーズを弾き終える際のBBの手の動きが実にカッコ良かった。

ファンキーだったと言えば、クルセイダーズ。
ラリー・カールトンやジョー・サンプルの演奏は私の好みではないが、
スティックス・フーパーとウィルトン・フェルダーのリズム隊は
黒くて、重くて、しかもシャープで、アレは悶絶級ですね。
特にフーパーの動きが良かった。

同じように、おおっと思わせたのが、ポインターシスターズなのだが、
残念ながらリハの映像がちらっと映るだけで、本番なし。
昔この時の映像が商品化されているらしいので、
ちょっと探してみるしかないのでしょう。
シスター・スレッジもリハ映像しかなかったが、
当時多分まだ10代半ばぐらいで、物凄く可愛い。
うちの娘が中学生になったら、その友人たちを集めて
ああいうのやってみたいと思いましたよ。

ビル・ウィザーズはそのルックスと声のいかつさに反して、
歌詞の女々しさに驚いた。
どうせだったら、ユーズ・ミーみたいなファンキー曲が見たかった。

セリア・クルーズは流石に貫禄を見せつけますね。
声の深さ、節回しの絶妙さ、リズムのり、まさに本物なのだが、
そのバックでエクトル・ラボー達がコーラスとってるのが、これまた凄い。
ファニア・オールスターズも印象が一変してしまうほどのインパクト。
コンガ、ティンバレス、カウベルの攻撃力を再認識しましたね。
これも、ここからと言うところで映像が終わってしまうのが残念だが、
DVDにもなっているので入手しないといけないのだが、
いかんせんプレミアが付いているのが悔しいところだ。
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で、メインのJBだが、これも結構発見がありましたね。
74年のJBといえば、アルバム『HELL』を出したころなので、
もうひとつ元気がないイメージがあったりしたのだが、
それは私の勘違いだったんですね。
体の動きや歌もそうなんだけど、なんといっても視線や表情が凄い。
俺が親分だという気概に溢れているというか。

まあノーランにフレッドにピンクニー、メイシオ、トーマス、チャールズもいるとなれば
当たり前のことなんだけど、バンドの演奏も実にタイト。
あと、JBズは派手に動き回る親分を支えているイメージが強いのだが、
結構ステージを動き回っていて、これも新しい発見ですね。
途中ベースがフレッド・トーマスからスウィート・チャールズに変わると
リズムののりが変わるのも見どころの一つか?
ダニー・レイもばっちり出てくるし。

スウィート・チャールズはそれにしても歴代JBのバンドメンバーの中では、
一番ファンクネス溢れるルックスなのではないだろうか?
(JBズ在籍時のブーチーのほつれたアフロはカッコ良いが、格好は割と普通)
JBの数々の名作の中でこの人が果たした役割というのも
きっちり再評価されないといけないとかねがね思っていたので、
実際に動く姿を確認出来て、実は結構嬉しかったのだ。
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「我々は(アフリカに)戻ってきたのだはない、ずっとここにいたのだ」等等
JBの実に有難いお言葉も随所に挟まって、ああ、ありがたや、ありがたや、となる訳ですが、
やはりモハメド・アリの攻撃的な振る舞いがカッコよすぎる。
アグレッシブな言葉が淀みなく飛び出してくる様はヒップホップの様というか、
完全にヒップホップそのものですね。
ザイール人の女の子と言葉が通じないので会話できないシーンで、
我々は母国語を奪われたから、お互い話が出来ないのだ、という言葉は
なかなか考えさせられるものがあります。
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「俺はベトナム人と闘う理由がない」と懲役拒否してベルトを剥奪されたアリが、
このイベントの後にキンシャサで行われた試合でフォアマンをKOしたのが、
いわゆる「キンシャサの奇跡」。
で、そのときロープ際でフォアマンを迎え撃った作戦がROPE A DOPEということで、
やっぱりアリは元祖ヒップホップなんだなと、そこの部分が
今回の一番の収穫なのでありますね、はい。
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ということ、「モハメド・アリ かけがいのない日々」のDVDも見なければ!
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by zhimuqing | 2010-06-13 23:55 | Funkentelechy | Comments(4)
Commented by M.A. at 2010-06-16 15:59 x
ホント演奏シーンが短いっ!もっとライブを!!!でしたねぇ。
JB以外もせめてまるまる1曲分は見たかったです。
エンディング、JBが延々とサヨナラをやってるところで
JBとお別れ…思うと鬼の目から汗が出てきました。
Commented by zhimuqing at 2010-06-16 23:49
>> M.A.様

こんばんわ!

演奏シーン、短すぎですよね!
ワッツタックスなんかもそうですが、
そのまま未発表で埋もれさせてしまうのは
勿体ない事この上ないです。

JBに関しては、色々映像を持ってはいるのですが、
映画館のサイズで見ると、受ける感動の大きさが違ってきますね。
(ほぼ全盛期だし。)
ということで、もう一度見に行こうかどうしようか、
少し迷っているところです、はい。

時に(私は断念した)シュガーフット、見に行かれましたか?
Commented by M.A. at 2010-06-17 12:35 x
たびたびお邪魔します。
私はあの時代のJBの画像をあんまり観たことがないので、
とても新鮮でしたね〜。

>シュガーフット
はい、観てきましたよ。最悪のフロア後ろで(笑)。
ステージ前の吹き抜けの席ならまだしも、
10cmでも天井の低い部分に(耳が)入ると、
とたんにポワ〜な音になることを今回確認してきました。
でもライブはまぁ、音をうんぬん言うものでもなかったので…。
シュガーフットさんはちょっぴりスライ化してましたけど、
バンドはまだイキがよくて、プリンスのControversyを一瞬演ったこともあって好感持てましたよ。
あのペラさはまさにルーツミュージックでした〜(笑)
Commented by zhimuqing at 2010-06-18 00:59
>> M.A.さま

フロア後ろだと、流石に厳しそうですね。

なるほど、スライ化(笑)ですか。
でも、やっぱり動くシュガー様、見とくべきだったかなと
後悔しているところです。
シャイダーいなくなっちゃったし。(涙)

それにしても、Controversyを選ぶところは
なかなか唸らせますね。
やるなー。
Head とか DMSRも一緒にやってくれると
悶絶してしまったかも。
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