初めてその声を聞いたのは、多分16歳の頃。 2枚組のベスト盤を真夜中に聞いていて、 最後の曲が始まった時に、そのファルセットでのシャウトを聞いて、 背中に電流が走ったのだ。 初めて動く姿を見たのは、多分17歳の頃だったと思うのだが、 福岡土曜日の深夜放送ナイトジャック福岡で、 エンディングの時に少しだけ流れたPVが初めてだったと思う。 断言出来るのだ。 私が今までリアルタイムで聞いてきた歌手の中で 最も華麗で、最も包容力があって、最もファンキーで 最も美しく、最もカッコ良いのは、 誰が何と言おうとアリ・オリ・ウッドソンなのだ。 白血病だったなんて全く知らなかったよ。 58歳なんて若すぎるよ。 10年近く待ちに待って、初めてその姿、その声に触れることが出来たのが、 97年の単独ソロツアー、福岡のクロッシングホール。 始める前に会場上のホテルのトイレに小用を足しに行くと、 絶対見たことある人が横にいたのだったが、 予想だにしないシチュエーションに身動きが取れなかったというか、 あぁ声をかけねば、と思いつつも、タイミングを逸したのでありました。 大昔からその時点までに様々な形で受け継がれてきた アフロ・アメリカンの歌唱の真髄があの時、あの場所で炸裂したものだ。 ギャドスンを含むバンドも良かったし、演奏時間も長くて良かった。 ウーマックの曲も良かった。ルーサーの曲も良かった。 ギャップバンドも良かった。マーヴィンも良かった。 でも、やっぱり良かったのは『レディ・ソウル』。 でも、もっと良かったのは『ソウル・トゥ・ソウル』だった。 キーボードを弾きながら歌ったあの曲の素晴らしさを 私は一生忘れない。 翌年97年の福岡ブルーノートで再度見ることが出来たのだが、 その時は『ソウル・トゥ・ソウル』は無し。 幸い話をするチャンスがあったので、なんで歌ってくれなかったんだ?と聞くと、 『誰かリクエストしてくれるのを待ったのに』と最高の笑顔で答えてくれて、 男の私もメロメロになったものだ。 01年のブルーノート大阪はアル・マッケイのバンドのゲストとして来日。 テンプスの曲は演奏されず、私としては、アリ・オリに歌わさんかいという、 若干消化不良気味の出来。 その後の02年のソロツアーとかコットンクラブでのテンプスレビューは 海外長期出張で見ることが出来なかったのだ。 今思うと、でもあの01年のライブが最後になってしまったのだな。 今思うと、テンプスで実質メジャー・デビューしたのが84年。 で、脱退したのが95年。 歌える(歌え過ぎてしまう)本格派にとっては、 時代が少しばかり悪かったのかもしれない。 もちろん名曲、名唱は数知れず、というか、 アリ・オリが歌った曲全て名曲名唱と思うけど、 本音のところでは、アリ・オリそして当時のテンプスの力を持ってしたら、 もっともっともっと凄いのが作れたと思うのだ。 70年代にPファンクとかPIRと組むことが出来ていれば、 80年代にデフジャムのOBRとかザップのロジャーと組むことが出来ていたら、 90年代初頭にスタン・シェパード達ともう2枚アルバム作れてたら、 90年代にジャム&ルイスやベイビーフェイスとアルバムが作れてたら、 00年代にRケリーやサディークと組むことが出来ていたら、と 歴史にイフは禁物なのだろうけど、そう考えずにいられない。 そんなことは、でもどうでもいいですね。 もう1回、あの歌う姿をみたいなぁ。 声がつぶれるまで熱く歌い込むあの姿が見たい。 あの茶目っ気に満ちて、少し悪そうなあの笑顔が見たいのだ。 本当にありがとうございました。 貴方は間違いなく本物中の本物。 私は貴方のステージを拝見することが出来て 本当に光栄でした。 記念すべきアリ・オリの(実質的)メジャーデビュー曲。 アリ・オリ若いなぁ。 アリオリ時代のテンプスのライブ映像はテレビ番組のが結構残っているようですね。 音の悪さを補ってあまりが来まくるほど、後半の歌い込みが凄まじい。 アリ・オリの曲ではやっぱりこれが一番好きなのだ。 歌唱が祈りの域にまで達している。 テンプス黄金時代と言えば、ラフィン+ケンドリックスの時代と言うのが定説だけど、 個人的にはアリ・オリ、ロン・タイソン、リチャード・ストリート、メルヴィン、オーティスの時代も まったく引けを取らないと思っているのだ。 こういう映像を見ると、ますますそう思うのだ。 どこかにこの5人の時代のフルライブの映像残されていないかな? ちなみにアリ・オリはラフィンと同じく、グループの中で光り輝くタイプだと思う。
by zhimuqing
| 2010-05-31 23:27
| Funkentelechy
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