天才の技を凡人が講義してみた件

先日、ファンク道に調教?中のI君が我が家に来たので、
濃厚系、華麗系、熱血系等を中心にドップリタップリ様々な音源を
紹介したのですが、彼の反応がヴィヴィッドなので、
非常に紹介する甲斐があるのだ。

マーヴィン、アル・グリーン、アリ・オリ、ピケットで肩慣らしをして、
G.C.キャメロン、ジョフ・マクブライド、ジェラルド・アルストン、フィル・ペリー、
マクファデン&ホワイトヘッド、ソウル・チルドレンと怒涛のがぶり寄り。

吠えるマーヴィン・ジュニアとジョニー・カーターの特異的なファルセットを
デルズの海賊版の粗い画像で味わってもらったり、
マザーシップ・コネクション・ツアーでの悶絶グレン・ゴーインズの姿を見せつつ、
Pファンクの奥義、ひいてはファンクと宇宙の関係について説いたり、と
教える側も疲れ果てるほどの濃密な講義を実践したのであります。

そういう中で改めて再認識させられたのが、マーヴィン・ゲイ。
言わずと知れたソウル界の巨人、改めて触れるのも恥ずかしいぐらいなのだが、
アルバム『In the Groove』は色々な要素が詰まっていて、
マーヴィンの、というよりソウルの中でも屈指のアルバムだと思うのだ。
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№1ヒットである「悲しいうわさ」ばかりが話題となるこのアルバム、
ノーマン製作のサイケデリック・ソウル前夜な曲と
ドリフターズやフォートップスのカバー曲が混在しているが、
いい曲ばっかりで、アルバムの中に弱点が見当たらない。

特筆すべきはやはりジェマースンのベース。
66年頃の録音に比べて、ベースがくっきり録れていることもあって、
めちゃくちゃ弾むフレーズに興奮させられる。
スペースへの音の置き方や休符の取り方、音の伸ばし方は
まさに天才の妙技としか言いようのなく、
そのおかげで曲に物凄いドライブ感が出ている。
似たフレーズは弾けても、コピーが出来ないベースの筆頭だな。
真似しようとして一緒に弾くと、大変ブルーになってしまうのだ。
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どうしてもベースに耳が行ってしまうけど、
それ以外でもヴァン・ダイクの鍵盤が意外に効いていたり、
ベニー・ベンジャミンかピストル・アレンのどっちか分からないけど、
ドラムも一見シンプルなのだが、小技が効いてそう。
随所に入るストリングスやタンバリンもカッコイイし、
主役を盛り立てるコーラスも見事の一言。

なにより曲によって唱法を自在に変えるマーヴィンの歌が良い。
シャウト一つとっても、力任せで野性的なもの、焦燥感をかきたてるもの、
泣きのフレーズが全開のものと、様々なパターンがある。
ビートに滑らかに歌を乗せたり、突然ファルセットに駆け上ったり、
リズムに逆らうように語尾を延ばしたり、そこにシャウトを噛ませたりと、
このアルバムでのマーヴィンの歌は本当に自由自在。
後年多用する官能的なファルセットはまだ見られないが、
マーヴィンの歌のスタイルはやっぱりここで完成したのだと思う。

マーヴィンといえば、神格化された70年代以降ばかりに
光が当たる傾向があるのだが、やはりこの時代も重要だ。
と、いいつつも、この時代のアルバムあまり持っていないんですよね。
もう少し色々漁ってみないといかんなぁと痛感するのでありました。
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by zhimuqing | 2010-04-05 20:10 | Funkentelechy | Comments(0)
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