闇将軍が面白かった件

斎藤美奈子の新刊「誤読日記」を買おうと本屋に立ち寄ったら、
魚住明の「野中広務 差別と権力」を見つけたので、購入しましたよ。
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ベストセラーになっている辛淑玉と野中広務の対談集が面白かったのと
先週NHKで宮沢内閣以降の政権交代の特集番組をやっていたんで、
ちょうど良いタイミングだ。

小泉とか安部なんかは100%好かん、と全否定できるのですが、
野中広務とか、最近で言うと亀井静香なんかもそうなんだが、
なかなか評価が難しい政治家ですね。
60:40、70:30ぐらいですかね、評価できる部分と出来ない部分は。

野中広務の生い立ちから議員辞職に至るまでの流れを
様々な関係者のインタビューを織り交ぜながら、
魚住明が淡々と追っていくこの本、
事実は小説より奇なり、という言葉を体現するような流れで
一気に読みとおしましたよ。
一つの話として完結していて、これは大変面白い本だ。

野中が持っていた弱者への温かい視線だけを強調せずに、
政治家としてのエグイ行動も十分に描かれていて、
その辺が野中本人の自伝よりも評価できると思います。
(エグイ部分は多少筆は抑えているのでしょうけどね。)

随所に挟まれるエピソードというか話には
結構驚く話が書かれていて、その辺も面白いのだが、
やはり後藤組と公明党のスキャンダルの部分が面白い。
秘密裏に動いていた亀井静香に「見たでぇ」と電話をかけてくる野中広務の姿は
「闇将軍」と言われただけのことがある迫力だ。

エピローグに向けてどんどん話が盛り上がっていくのだが、
そのエピローグにある魚住と野中本人との会話が圧巻だ。
あまりにもグッとくるので、何回も読み返してしまうのであります。

巻末に付いている魚住明と佐藤優の対談も秀逸で
大変読み応えがありますね。
小泉政権になってから官僚が力をつけていったことに対する
ここでの二人の分析は非常に興味深い。
あと、佐高信の解説もいつもと変わりはないが、やはり面白い。
でも、やはり本文のエピローグと最後のあとがきでの
魚住自身の葛藤と戸惑いの部分が一番の山場だと思う。

ということで、野中広務本人の自伝も少し気になるのだが、
魚住明の評伝ほどには出来が良くない気もするので、
ここは魚住明関係の本を少し漁るとするか。
やはりここは、瀬島龍三を取材して描いた「沈黙のファイル」かな。
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野中本の入り口はこれがいいと思うぞなもし。
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by zhimuqing | 2009-11-07 15:20 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
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