あの日から人生が変わったのだ!

e0147206_214775.jpg
ブルーノートにラファエル・サディークを見に行ったのである。
行くのはやめようかとも考えたのだけど、
たぶん部屋で思い出を噛みしめるより、外で音楽を聴くことのほうが、
22年前に音楽の楽しみや喜びを教えてくれた人にふさわしいと思い、
この日はこの人でなければならない、弟と一緒に見に行ったのだ。

電話で話をすると、言葉が詰まりそうになるので、
一生懸命気持ちを抑えて、悟られないようにした。
ばれてるのは分かっていたけど。

早めに表参道に着いたので、裏道の路地をブラブラしていると、
これまでの様々な場面での思い出がいろいろ浮かんでくる。

e0147206_221670.jpg

白地に黒い服を着た男のレコードが街のレコード屋の全面に並んでいたこと。
ムーンウォークをするには特別仕様な靴がいる夢を見たと報告した弟。
ジャマイカで葉っぱのディーラーがYou are not aloneを口ずさんでいたこと。
テレビで初めて見たライブで汗だくになって歌っていた姿が本当に奇麗だったこと。
でも、Thrillerの時にテレビ局が変な画像処理をして、家族で憤慨したこと。
ジャネットとのビデオが凄まじくカッコイイ、とわざわざ電話してきた母。
Man in the mirror がテレビで流れた時に、その悪口を言った級友を蹴り上げたこと。

e0147206_224056.jpg
ある日学校から家に帰ると、特別な靴無しで月の上を歩けるようになっていた弟。
Remenber the Time のPVを家族で固唾を呑んで見たあの時。
遠賀川のほとりで父がBillie Jean の振り付けを真似しようとしたが、
まったく違ってて、家族で大笑いした夕方。
従姉弟の家でThriller のビデオ借りて、深夜に見ようとしたけど、
ビデオの操作方法に大苦戦した夏。
ワープロで打った歌詞カードをクリアケースに入れていたら、
英語のテストでカンニングしていると疑われたあの日。

e0147206_225583.jpg
カーステレオの音量を爆音に上げて聞いていた母。
わざわざ大阪から福岡まで大挙押し掛けてきた弟とその友人。
コンサートの帰りに興奮したみんなでラーメンを食べに行ったこと。
人生で初めて話したアフロアメリカンと、その人の素晴らしさについて語り合った夏。
The way you make me feel での走り方を真似してたH君。
新作が出た日、弟が帰ってくるまでCD聞くの我慢して、
一緒にドキドキしながら開封した夕方。
JAMのPVの内容を電話で知らせてくれたN君
グラミー賞でのパフォーマンスに度肝を抜かれた夜。
e0147206_2293448.jpg


立ち止まると溢れてしまうのが分かっているので、歩き続けていたのだが、
携帯に届いたメールを見ると、もう駄目だった。

「悲しいね。亡くなったね。慶と豪の青春の1ページ、
私の子育ての時期の楽しい1ページだった。」

e0147206_2294973.jpg
テレビの追悼番組でコメント取りがあるから、遅れるかもしれないといった弟は
無事に時間前に青山に到着できた。
お互いあまり多くを語らないが、会話は自然とその話になる。
私たちお互いにとって、すべての始まりだったのだ。
私たちのように、彼に救われた人は世界中にどれぐらいいるのだろう。

ラファエル・サディークのステージはI Want You Back でスタート。
たぶん初めから予定していた曲ではなかったと思う。
この夜はこの曲しかない。青山だけでなく世界中で演奏されていたのではないだろうか。
一流のミュージシャンがお客を楽しませようと全力を尽くしているその姿に
今日、ここに二人できたのは正解だったと思った。
e0147206_2302978.jpg


ステージ後半で、ラファエルはあの人の音楽が自分の基礎、始まりなのだ、と語り、
おそらくこれも急遽決めたのだろうが、Who's loving you を歌った。
バンドに細かい指示を出しながら、最後はアカペラで締めて
ラファエルならではの仁義の切り方を見せてくれたのだった。

e0147206_230981.jpg
お客さんに即席のサイン会をしているラファエルと握手した後、
恵子姐さんと合流したのだが、戸田さんの弟への温かい心遣いには本当に感謝。
夜中遅くまで色々話をして、それから弟の家に行き、寝る準備をしていたのだが、
話が止まらなくて、結局夜が明けるまでずっと話し続けたのだった。
e0147206_231842.jpg


すべてはあの日が始まりだったのだ。
心の底からマイケルに感謝の気持ちをささげます。
ありがとうございました。
e0147206_23336.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2009-06-28 02:04 | Popper's Delight | Comments(4)
Commented by zhimuqing at 2009-06-28 02:54
ラファエルのHPに追悼の言葉が載っていた。

Last night at the Blue Note in Tokyo, Japan,
Raphael performed 2 showsopening each set
with “I Want You Back” by Jackson 5.
Celebrating the life of Michael Jackson,
a dear friend who greatly influenced Raphael,
the band, our team and an entire nation.

His music and spirit was felt in the Blue Note last night,
especially when Raphael performed “Who’s Lovin You”.

“God, Thank you for giving us Michael Jackson,
And thank you Michael for giving us real music,
your legend can never die.” - Raphael Saadiq.
Commented by さとう at 2009-06-28 11:00 x
感動しました。

いま、植木さんが持っている有形無形のいろんなこともの(生きる姿勢、知恵、魅力、人格、センス、こころ、しごと、家族、友達いろんなこと全部)が、もとをたどるとこの出会いにつながっていたり、あるいはこの出会いにすごく影響されていたんじゃないかな、とか勝手に考えて、ちょっと僕もすごい、くるものがありました。
Commented by さとう at 2009-06-28 11:07 x
ぼくが、植木さんからこんなにもいろいろなものをもらえたのも、このきっかけにつながっていそう。です。
Commented by zhimuqing at 2009-06-28 21:32
>> プリマクさま

22年前にマイケルを聞き始めていなくても、
どこかで音楽が好きになっていたかもしれないですが、
やっぱり違う人生になっていたことは間違いないですね。

少なくともマイケルのおかげで出会えた友人や音楽、
そして様々な人と共有することができた大切な時間に
心から感謝したいと思います。
<< 今こそ解放するのだ! 大変悲しいことです。言葉になり... >>